約 1,236,985 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/112.html
スーパー赤ゆっくりボール (1) 特別悪い事をしていないゆっくりが虐待お兄さんに虐待されます お兄さんは少しウザいかもしれません ゆっくりの生体機能に一部俺設定を含みます ゆっくりの平仮名台詞、特に赤ちゃんゆっくりの台詞を多く含みます 読みにくいと思います 書きたいことを書き殴っていたらダラダラと長くなってしまいました 初SS+低文章力注意 「ゆぎゃぁぁぁぁん!!!やめぢぇぇぇぇ 『ブヂュッ!!』 ゆぼびゅっ!?」 「・・・ゆっ・・・ぎゅ・・・ぃ・・・・・・・・ゅ・・・・・・」 はぁっ・・・はぁっ・・・はぁっ・・・・・・ シンと静まり帰った森の中では、途絶えたゆっくりの声に替わり、 興奮した獣のような荒い息づかいの音だけが聞こえていた。 -------------------------------- 「ふう・・・」 溜息をひとつ吐く。 「・・・あーあ・・・またやっちまった・・・」 そう呟きながら俺は足を持ち上げる。 俺の足があった位置には、ビローンと潰れた小さい饅頭の皮と赤いリボンの残骸。 その場所を中心に餡子が放射状に広がっている。 俺の周りには同じように無惨に潰れた饅頭の残骸が幾つか転がっている。 「赤ゆっくり潰しは最高に楽しいんだけどなぁ・・・ 一撃で終わっちまうのがなぁ・・・」 ブツブツ言いながら、靴をその辺の石に擦りつけて、靴底にこびりついた餡子を拭う。 俺は新人の虐待お兄さん。 一番の好物は赤ゆっくり。 そして一番好きな虐待は"踏み潰し"だ。 などと言うと、先輩のお兄さん達からは、 ひねりが無いだの、風情が無いだの、 ゆっくりはじわじわと身体的にも精神的にも追いつめて虐待するものだの、 お説教を聞かされるはめになる。 もちろん、それもわかる。 俺だって、 柔らかいほっぺをちぎったり、生きたまま囓ったり、巣ごと水攻めにしたり、 髪の毛を全部引きちぎったり、腐った生ごみや大量のうんうんを無理矢理食べさせたり、 タバスコを一気飲みさせたり、熱した鉄板の上でじっくりと足を焼いたり、 つぶらなおめめを抉り抜いたり、 そんな赤ゆっくり虐待だって人並みにはやるし、それはそれで大好きだ。 でも、何と言われようとも一番好きなのは"踏み潰し"なのだ。 頭上に迫る、自分の体よりも大きい人間の足を目にした赤ゆっくりが、 その圧倒的な力の前では、どう足掻いても抗うことも逃げることもできない事を理解し、 始まったばかりの己のゆん生が、 まだ見ぬ世界に一杯に溢れているであろう ゆっくりー!できる事やしあわせ~!な事を知る間もなく、 今、この場で、あまりにもあっけなく終わってしまうのだと、 ゆっくり理解したときのあの絶望に染まった表情と泣き声。 その赤ゆっくりを渾身の力で踏み潰す瞬間の充足感。 ソレがたまらない。 ・・・と言って理解してもらえるだろうか? しかし、言うまでもなくこの虐待の欠点は、 "虐待した瞬間に虐待が終わってしまう"という点に尽きる。 バスケットボール大の成体ゆっくりであれば、 一度踏み潰したくらいでは致命傷にこそなれ、即死はしない。 だから何度も何度も踏み潰して、苦痛に歪む表情と泣き声を楽しむ事ができる。 しかし、赤ゆっくりのサイズはピンポン玉大。人間の足幅よりも小さい。 思い切り踏み抜いたら一発で餡子を飛び散らせ、物言わぬのし饅頭になってしまう。 体の一部のみを踏むように加減したところで、 かかる圧力の大きさ故に相当量の餡子を一気に吐き出し、その場で絶命してしまう。 いや、赤ゆっくりであっても繊細な加減をすれば、 チビチビと踏み潰してゆくこともできなくはないのだろう。 事実、先輩お兄さん達の中には絶妙の加減で赤ゆっくりを生きたまま じわじわと潰し削って行く妙技を見せてくれる者もいる。 だが、俺はダメなのだ。 頭では加減をしようと思っていても、赤ゆっくりの怯えた表情を見た瞬間に そんな理性は吹き飛び、ついつい全力でド真ん中から踏みつぶしてしまうのだ。 ちょうど今もそうしたように。 「だいたい、ゆっくりが脆すぎるのがいけないんだよな・・・」 靴底にこびりついた餡子は既に綺麗に拭い去られているにも関わらず、 まだ石に靴をなすりつけながら、ブツブツと呟く。 「あいつらがこの石みたく頑丈だったら・・・いっそ鎧でも着せて・・・」 ガツ!ガツ!と饅頭のように丸い石を踏む。踏む。踏む。 いや、それでは意味がない。潰れるから楽しいのだ。 「っ・・・!このっ・・・!ゆっくり!ゆっくりしね!ゆっくり潰れてしねっ!!」 ハァハァと息を荒げながら、石を踏み続ける。 潰れなくてはダメだ。 潰れないくらいに硬くてはダメだ。 硬くてはダメなら・・・? その時、俺の中で一つのアイディアが閃いた。 -------------------------------- 三日後、俺は村の近くの森の中で獲物を探していた。 ほどなく森の中の少し開けた場所でゆっくり団らんしているゆっくりの家族を見つける。 「ゆっ!ゆっ!」 「いもむちしゃん、ゆっくち たべらえちぇにぇ!」 「ゆっ♪ゆっ♪ゆゆゆ~ん♪」 「おきゃーしゃんのおうちゃは とっちぇも ゆっきゅりできりゅにぇ!!」 「ゆっへっへ!ばったさんはまりさたちのごはんになるんだぜ!」 「ゆ~♪おちょうしゃん しゅご~い!」 両親と思しきバスケットボール大のゆっくりが二匹。 父親役のまりさと母親役のれいむのようだ。 そして、ピンポン玉大の赤ちゃんゆっくりが5匹。 赤まりさが3匹に、赤れいむが2匹だ。 赤ちゃん!赤ちゃん!三日ぶりの赤ゆっくりだぁ! ・・・思わず走り寄って赤ゆっくりを踏みつぶしそうになる気持ちを 素数を数えてなんとか落ち着かせると俺はゆっくり達に近づいて声をかける。 「ゆっくりしていってね!!」 「「「ゆっ!?ゆっくりしていってね!!」」」 反射的に答えるゆっくり一家。 「おにいさんはゆっくりできるひと?!」 少し警戒した様子で親れいむがこちらに問いかける。 「うん、とてもゆっくりできる人だよ! でもゆっくりした可愛い赤ちゃん達を見たらますますゆっくりしちゃったよ!」 微笑みながら俺はそう答える。 「ゆっ!かわいいれいむのかわいいあかちゃんたちは とてもゆっくりできるあかちゃんだよ!!」 子供を褒められた親れいむが誇らしげに言う。 誰もてめーが可愛いとは言ってねぇぇ。 「かわいいあかちゃんをみせてあげたんだから、 おじさんはさっさとおれいのあまあまをよこすんだぜ!!」 と、こちらは親まりさ。 ハハハ、潰してぇ。 だが今は我慢だ。 「勿論だよ。さあ、これを食べてごらん。とっても美味しいあまあまだよ。」 そう言って背中に背負っていた竹籠から革袋を取り出すと、 中から餡子の塊を取り出してゆっくり達の目の前にばら撒いてやる。 あまあまの出所は言わずもがなだ。 「ゆゆっ!あみゃあみゃ~!!」 「まりしゃの あみゃあみゃ なんだじぇ!」 「ゆ~!おねいちゃん じゅりゅい~!まっちぇ~!!」 ぴょんぴょんと跳ねながら我先に餡子にと群がる赤ゆっくり達。 「ははは、一杯あるから喧嘩しないでお食べ。ほら、お母さん達の分もあるよ。」 そう言って親ゆっくりの目の前にも餡子の塊を置いてやる。 「ゆゆっ!ありがとうおにいさん!」 「なかなかみどろころのあるにんげんなんだぜ! まりさのけらいにしてやってもいいんだぜ!!」 そう言って親達も餡子にガッつき始める。 願い下げだクソ饅頭が。 「はふっ!はふっ!うっめ!これめっちゃうっめ!」 「うっみぇ!きょれ めっちゃうっみぇ!」 「む~しゃむ~しゃ、しあわせぇ~!!」 「む~ちゃむ~ちゃ、ちあわちぇぇ~!!」 辺り一面に食べかすと涎を撒き散らしながら、餡子を食い漁るゆっくり一家。 そうか、幸せか。良かった良かった。 おまえらのゆん生最後の幸せだからな。よく噛みしめろよ。 などとは口に出さずに微笑みを浮かべながらゆっくり達を眺める。 そしてゆっくり達の「しあわせぇ~!!」コールを幾たびも聞かされ ビキビキィしながらも辛抱強く"その時"を待つ。 山のように大量にあった餡子の塊も八割方無くなってきた。 そろそろか・・・ 「ゆ・・・なんだかねむくなってきたんだぜ・・・・」 「ゆぅ・・・れいむもだよぅ・・・」 「ゆっきゅり・・・おにぇみゅぢゃよ・・・・」 「・・ゆぅ・・・ゆぅ・・・」 ゆっくり達は汚らしく食い散らかした餡子が散乱する中で、全員寝息を立てていた。 何匹かの赤ゆっくりを指でグリグリと乱暴に突く。 「みょう・・・ちゃべらりぇにゃいよ・・・」 「おかーしゃんの しゅーりしゅーり きもちぇいよ・・・」 眠ったまま微笑んでいる赤ゆっくり達。 よし、夢の世界から戻ってくる気配はないな。 ゆっくり睡眠薬の効果は抜群だ。 続いてその辺に落ちていた小枝を拾い上げる。 「クソがぁ!!」 おもむろに親まりさの頬にブッ刺した。 「ゆっ・・・ゆゆっ・・・」 僅かに反応を見せるも、痛がりもせず、目を覚ます気配も一向にない。 親に与えた餡子には麻酔効果のある薬品を混ぜてあるのだ。 こちらも効果は問題ないようだな。 それだけ確認するとまりさの頬から餡子に黒く染まった小枝を引き抜く。 荷物の中から少量の小麦粉を取り出すと傷口にふりかけ、そこに何度か唾を吐きかける。 よし。これでコイツが目を覚ます頃には傷も塞がっているだろう。 俺は深い眠りについたゆっくり一家を持参した竹籠に詰めていった。 -------------------------------- (続く) 選択肢 投票 しあわせー! (14) それなりー (0) つぎにきたいするよ! (0) 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/136.html
昔なつかしゆっくりれいむ02 12KB 昔なつかしゆっくりれいむ 02 作:YT 月曜日。ゆっくりがもそもそと起きて来て、朝日に向かって元気に叫んだ。 「ゆっくりしていってね!!!」 それを見ていると何かむらむらしてきて、洗濯物を入れるバケツを持って来てゆっくりを放り込んだ。 ぼすっ。 「ゆゆっ? 出られないよ? ここはどこ?」 丸い体がすっぽりはまって、動くに動けないゆっくり。 真上から見ると、赤い髪飾りが左右に回転して面白い。 ぐるぐるぐる。ぐるぐるぐる。 けれどもぐらぐらやっているうちにバケツごとごろんと転がって、今度は頭にかぶっちゃった。 「なにするの! れいむおこるよ! やっつけるからね?」 叫んで激しくぴょんぴょんと跳ねる。けれどもそれぐらいじゃバケツは外れない。 そのうちれいむは動き出したけど、のそのそ走っては壁にぶつかり、跳ね返ってはクッションに埋まっちゃった。 のそのそのそ……ゴンッ! ふらふらふら……ドサッ! よろよろよろ……バサバサッ! 最後のは本棚にぶつかって振ってきた本に埋まった音だ。 にっちもさっちも行かなくなったれいむは、とうとう泣き出した。 「ゆああああ、ぜんぜんうごけないよ! れいむもうおこったよ! ほんとうにゆるさないからね! やっつけてやるよ!」 ドサドサ、バサッ、ばたんばたん! 暴れまくったけれど、本をどけることは出来なかった。 そのうちに動きが止まって、変な声が漏れてきた。 「ゆううぅぅぅ……ゆううぇぇぇぇぇぇん……」 泣いちゃった。その後もれいむはずーっとめそめそ泣いていた。 三時間ぐらいしてから掘り出してみると、涙の後をつけたまんま眠り込んでいた。 火曜日。エサ皿を前にしたゆっくりが、ぱああと顔を輝かせて言う。 「ゆっくりいただきます! むーしゃ、むーしゃ……しあわせー!」 それを見てるとまたむらむらしてきて、私はエサ皿を持ち上げた。 へにょ、とゆっくりは困った顔になる。 「ゆっ? ごはんが消えたよ? どこー! れいむのごはんどこー!」 あっちへうろうろ、こっちへうろうろ。 頼りない泣きそうな顔で、ごはんを探し回る。 少したってから床に下ろしてやると、遠くからそれを見つけた。 「ゆっ! れいむのごはん! もうにがさないよ!」 ぴょん、ぴょん、ぴょんっ! 元気に勢いよく飛んできたので、目の前で持ち上げた。 スーッ。 「ゆあああ! ごはん! れいむのごーはーんー!」 あっという間に泣き顔になって、必死に飛びつこうとする。 ぴょーん、ぴょーん、ぴょーん! ぼてっ。 高さが全然届かずに、ひっくり返るだけなんだけど。 「ゆううう、ゆあああ」 また泣き顔になって口を曲げたれいむは、だだをこねだした。 「れいむのごはんー! とどかないよー! ゆっくりたべたいよー!」 泣きわめきながら仰向けになって左右に転がる。 ごろんごろん、ごろんごろん。 私はそれをたっぷり見つめて、にやにやしちゃった。 それからまた、エサ皿をいったん下ろした。喜んでれいむがやってくる。 そこで電気を消して真っ暗にして、その間に取り上げた。 また電気をつけると、れいむがすごく驚いた顔になって叫んでいた。 「ゆっくり!? れいむのごはんがきえたよ! はやくでてきてね!」 出さずに焦らしていると、またまたれいむは泣いちゃった。 さんざんれいむを泣かせた後で、やっとエサを下ろしてやった。 「ひっくひっく……むーしゃむーしゃ……むーしゃ、むーしゃ!」 食べているうちに元気が出たのか、すぐにゆっくりは元の勝気な顔に戻ってた。 水曜日。妹から電動のわんこのぬいぐるみを借りて、部屋に入れた。 わんこは四本の脚を動かしてすすんでいく。 ジーコ・ジーコ・ジーコ・ジーコ……。 「ゆゆっ? ゆっくりにげるよ!」 ぴょーんぴょーん、と逃げ出すれいむ。 ジーコ・ジーコと追っかけるわんこ。 「ゆっゆっ! ゆっくり逃げるよ!」 得意になって逃げてたれいむも、十分もするともう息が切れた。 無表情のまま涙を流してへたりこんじゃう。 「ゆはっ! ゆはっ! ゆはっ! ……」 そこへじっくり近づくわんこ。 ジーコ・ジーコ・ジーコ。 「ゆゆっ? ゆっくりしていってね!!! ゆっくりこないでね!」 ゆっくりが叫んだけど、わんこが聞くわきゃない。 どんどん進んで、転がってるゆくっりのほっぺたにぶつかった。 ジーコ・ジーコ・ジーコ……ぽむっ、ジーゴ・ジーゴ・ジーゴ。 「ゆああああ! やめてね! けらないでね! けらないでね!」 ほっぺたをわんこの脚でけりけりされて、形を変えながら左右に首を振った。 ぶにぶにぶに。ぶんぶんぶん。 とっとと逃げればいいのに、わんこを避けるのに必死で逃げ出せないらしい。 それを見た私はけらけら笑っちゃった。 木曜日。 「れいむ、おいで。ブラッシングしてあげるよ」 「ゆっゆっ♪ ゆゆっ? なんだか高いよ! むこうがよくみえる!」 椅子に座って抱き上げると、見晴らしがよくなってれいむは喜んだ。 ブラッシングを始めると、気持ちいいのか、そのまますやすやと寝ちゃった。 「ゆぅ……ゆぅ……ゆぅ……」 私はれいむの髪の毛をひと房ずつ梳いてあげた。 きれいな黒髪だけど、先っちょのほうにはほこりが絡まってる。 むりもない。ずっと床の上を這い回ってるからね。モップみたいなもんだ。 取りながらほっぺをつまむ。むにむに、むにむに、とおもちの感触がする。 おもちなのに生きてるなんて……不思議だなー。 私はれいむのほっぺを両手で挟んで、正面からよーく見たみた。 眉は、ある。ピンと左右に跳ねた細いのが。 でも……なんか、人間みたいな眉毛が生えてないよ? 筆で書いてある感じだ。 「れいむ、れいむ」 「ゆっ? ゆっくりしていってね!!!」 目の醒めたれいむが、ぱちぱちと瞬きした。けど……。 目、丸くない。 黒目と白目があるけど、虹彩がない。 ベターッとした、ようかんみたいな茶色い部分になってる。 どこを見てるかわかんない……(汗 「ゆっゆっ♪ ゆっゆっゆっ♪」 楽しそうに声を漏らす口にも、唇がない。なんか白い切れ込みで、中が赤くなってるだけ。 手を入れて、開けてみた。 くわっ。 「ゆあ? やめふぇね! はなひへね!」 舌がヒラヒラ動いているけれど……のどの奥は行き止まりだ。 あれ? あれぇー……? ゆっくりって、目も眉も口も、実は目でもなければ眉でもなくて、口でもないの? 頭みたいに見えるけど、それは人間の勝手な思い込みで、実は顔でもなんでもないとか? 何それ。 ……なんか、急に気味が悪くなってきた。 「えい」 「ゆっ!?」 私はれいむを投げ出した。れいむは床におっこちる。 ぼふん。 「ゆゆっ! ゆっくりしていってね!」 声を上げたれいむは、ぴょんぴょんと窓際に行って座っていた。 金曜日。 れいむの正体がどうしても気になって、確かめることにした。 私はれいむにお酒をたくさん飲ませた。れいむは喜んで飲んだ。 「ぺーろ、ぺーろ、ごきげんー!!!」 何度もぺろぺろしては喜びの声を上げて、しまいには真っ赤になった。 そしてころんと転がって眠り込んじゃった。 「ゆぅゆぅ……ゆぅゆぅ……」 私はそんなれいむを持ち上げて、机に載せた。 まずは試しにほっぺを針で突いてみる。 ツンツンッ。 「ゆぅ……ゆぅ……」 反応なし。よし。 少しあお向け具合にして、鼻のところにマジックでバツ印を引いた。 キュッ。 鼻がないから書きやすい。 そして、それにそってカッターで十字に切った。 スッ、スッ。 「ゆぅ……ゆぅ……ゆゆ……」 ちょっと動いたけど、まだ目覚めない。お酒がよく効いてるみたい。 それからガラスの試験管を取り出して、バツ印の真ん中に押し付けた。 めりめりめりめりぃ……。 試験管は中に入っていく。とてもスムーズだ。やっぱり骨はないみたい。 最初の三センチを越えると、あとは一気だった。長さ30センチのちょっと長めの試験管が、どんどん入っていった。 めりめり、めりめり、めりめり、むにゅっ……ずぽんっ! 「あ」 貫通した。 れいむの後ろ頭を見ると、髪の中からあんこまみれの試験管が突き出していた。 「ゆぃぃ……ゆぃぃ……ゆぃぃぇ……」 あれ? ちょっと鳴き声が変。 もう一度顔を見ると、薄目の白目っぽい感じになっていた。 これ、やばいのかな。 でもまあ、生きてるからいいのかな……。 考えながら、丸い鏡に柄の付いたデンタルミラーを出す。 試験管にゆっくり入れる。 ペンライトで照らすと、れいむの断面が見えた。 最初の三センチは分厚い白い皮。 よーくみると、なんか小さな粒粒がうにうにむにむに動いてるみたい。 それをすぎると、茶紫色のあんこ。 注意してみたけど、普通のあんこにしか見えない。 8センチぐらいそれが続いた後で、ちょっとだけ色が変わった。 なんか、灰褐色っぽい感じ……? そのとき、ミラーがコツンと試験管の内側に触れた。 「ヲ゛ッ」 ……なんだかれいむがおかしな声を出した(汗 コツン、コツン。 「ヲ゛ッ、ヲェ゛ッ」 声を出しながら痙攣する。口の端からよだれを漏らす。 ビクッ、ビクッ。とろとろー。 「うぇ……」 や、やばい。ここは何か、れいむのとっても大事なところみたい。 下手にいじると死んじゃうかもしれない。 ……まあ、普通の生き物ならとっくに死んでるところだけどさ。 真ん中の餡を過ぎて、奥のほうへ行くと、また元の茶紫色に戻った。 裏側から、後ろ頭の皮をよく見ると、リンスのCMに出てくるような、生きてる毛根の断面が見えた。 だいたい納得できたんで、試験管を引き抜いて前後の穴を塞いであげた。 ずるずるずる……ずぽんっ! ぺたぺたぺた。 それから一時間ぐらいほっといたら、赤くなって転がっていたれいむも目を覚ました。 ぶるぶるぶるっ! ぽぺん。 勢いよく身を震わせて、ぽんと元の姿勢に戻る。そして例のお約束の―― 「ゆっヲ゛りしていってね!!!」 「は?」 「ゆゆっ!?」 驚いて、戸惑った感じできょろきょろするれいむ。 「れいむへんなこえがでたよ! ゆっヲ゛り! ゆっヲ゛りっ!?」 きょろきょろ戸惑ってから、れいむはぴょんぴょん跳ねた。 「やめてね! やめてね! れいむゆっヲ゛りできないよ! ゆううう!?」 「あははははは」 うろたえるれいむがとても面白くて、私はおなかを抱えて笑った。 れいむは夕方までには治った。 中に何か入れといてやればよかったと思った。 土曜日。めっちゃんが来た。私はれいむを抱っこして前の道路に出た。 10メートルぐらい離れて、キャッチボール。ゆっくりを交互に投げる。 ぽーん、ぽーん。ぽーん、ぽーん。 「ゆゆっ! やめて! ゆっく! ゆっぶ!」 ばむっ。 くるくる回って、強くキャッチされるもんだから、れいむは半泣きで悲鳴を上げている。 それをバックにして、私はめっちゃんとおしゃべり。 「それはさー」 「うんー」 「中枢餡だよ」 「ちゅうすうあんー?」 「ゆっくりの脳みそってことー」 「そうなんだー。やっぱり大事なとこ?」 「大事大事。そこ壊すと死んじゃうからねー」 「やっぱりかー」 「わりとポピュラーだよ、そこいじるのはー」 「ふーん」 「あっ、でもえっちゃんは飼ってるんだから、壊さないようにしなくちゃね」 「そだねー。あっ」 ぶぎゅる。 私の手をすっぽ抜けて、れいむがおっこちた。顔面から着地して変な音を立てる。 と思ったら、ぽんっと起き上がって走り出した。 てーんてーん、ぴょんぴょんっ! 「れいむ、もうおうちにかえる! もっとゆっくりしたい!」 「あ、やば」 あわてて追いかけようとするめっちゃんを、私は止めた。 「待って」 「えー、なんで? 逃がしてやるの? もったいないって!」 「そうじゃなくて」 私はめっちゃんと並んで、あぜ道を跳ねていく黒髪頭をしばらく見つめていた。 そして、れいむが森の手前で点のように小さくなったところで、つぶやいた。 「それっ」 一気にダッシュして追いすがる。れいむはもうのろのろになっていて、余裕で追いつけた。 すぐ後ろに立つと、一休みしたれいむがつぶやいていた。 「ゆっくりにげたよ! れいむはやい! とってもはやい!」 「残念でしたー」 油断してきっていたから、簡単に捕まえられた。抱き上げるとれいむはものすごくビタビタ暴れた。 「ゆゆっ、すすめないよ? れいむはすすむよ! ゆっくり、ゆっくりー!」 「でもダメです」 戻ろうとした時。 森の茂みをがさがさと揺らして、もう一頭のゆっくりが出てきた。 私のれいむに向かって、どことなく嫌みったらしい目で得意げに叫ぶ。 「れいむ! ゆっくりしていってね!!!」 私は振り返って叫んだ。 「めっちゃーん! まりさ出た、まりさ!!」 まりさは、捕まったれいむを笑いに来たのかもしれない。 でも速攻で自分も捕まった。 日曜日。 私はこの一週間で、たっぷりゆっくりをいじめてしまった。 だから、日曜日ぐらいはお休みにしてあげるつもりだった。 けれど。 ガシャーン、カラカラン、びしゃー。 部屋で自分の食事の準備をしてちょっと目を離した隙に、まりさとれいむにテーブルをやられた。 戻った私が見たのは、床に落っこちた料理と、ぽんぽん逃げていく二頭。 「ゆっゆっ、ゆっくり逃げるよ!」 「たいりょうだよ! かくれてたべようね!」 そんな声を残して、安全なゆっくりプレイスに逃げ込んだ。 もちろん、安全だと思っているのはれいむたちだけで、その屋根はただのクッションだ。 私は洞穴の前にいって覗き込んだ。二頭が幸せそうに食事をしていた。 「むーしゃ、むーしゃ」「しあわせー!」 「れいむ!」 「まりさ!」 「すーりすーりすーりすーり!!!」 「やわらかいね!」 「あったかいね!」 「ゆっくりしていってね!!!」 むらむらむらっ。 ……あー。 これか。 めっちゃんが言ってたのは、この境地なんだなー。 「れいむ、まりさ」 私はニッコリ笑うと、洞穴に手を突っ込んで、嫌がる二匹を無理やり引きずり出した。 「ゆっゆっやめてね! いたいよ! れいむ出たくないよ!」 「はなしてね! おぼうし脱げちゃうよ! れいむとすりすりしたいよ!」 いろいろ言ってるのを全部無視して、こぼれたご飯のところに連れて行って、一頭ずつお仕置きしてあげた。 ずぴしずぴしずぴしずぴし! ぎゅいーぎゅいーぎゅいー ぱーんぱーんぱーんぱーん! でこピンと、ほっぺつねりと、おビンタをたっぷり。 それから、床の上の料理に顔をしっかり押し付け。 ぐりぐりぐりぐりぐり。 「テーブルのごはんはいけません」 「ゆあーんゆあーん! ゆあーんゆあーんゆあーん!」 「ゆあーんゆあーん! ゆあーんゆあーんゆあーん!」 れいむとまりさは真っ赤な泣き顔になって、プレイスへ逃げていった。 楽しい……♪ ================================================================ 結局いじめちゃった。 YT 03へ トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 原種に中枢餡は無い。(逆に耳はある) この作者は色々と混同しているのか? -- 2018-03-21 21 01 25 これは素晴らしい。 -- 2011-12-23 12 44 21 ニヤ(・∀・)ニヤ -- 2010-09-29 23 44 35
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/656.html
※この作品は何もしていないゆっくりがナニでアレされます? やあ、みんな!元気かな? 俺は汚兄さん。またの名をHENTAIお兄さんだ! 最近のゆっくりたちって良く喋るよね? アレはアレで魅力的なんだけど、ああいう娘ばかり相手にしているとたまには喋らない娘としてみたくなるよね? そんなわけで今、俺は風のうわさを頼りに殆ど喋らないゆっくりを探しにやって来たんだ! 「ゆっくりしていってね!」 俺が森の中でそう叫ぶと各所から「ゆっくりしていってね!」という返事が帰ってくる。 更にすかさず「ゆっくりしたい子はこっちに来てね!」と言うとあっという間に17匹ほどのゆっくりが集まる。 「やあ、君たちはゆっくり出来る子かな?」 「「「「「そうだぜ、だからまりさに、プギャ!!」」」」」 「「「「「「そうだよ、だかられいむに、ユゲッ!!」」」」」」 「「「「「「ゆっ!ゆっゆっ!」」」」」 とりあえず、喋ることのできた個体の頭頂部に素早く指で突いて黙らせると、喋れない個体だけがその場で跳ね回っていた。 ただし、俺の喋れる子たちに対する行動を見たせいで少し怯えてしまっていて、中には泣き出す娘までいた。 「はっはっはっ!君たち、怯えることはないよ!お兄さんと一緒にゆっくりしよう!」 「「「「「「ゆ、ゆっくりしていってね!」」」」」」 「そうだね、ゆっくりしようね!」 その言葉を合図に俺はイチモツを覆い隠すもの全てを脱ぎ捨て法というからを破り捨て、蝶の如く自由に羽ばたいた! 正しく描写するならばズボンとパンツを脱いで、いきり勃ったムスコを露出させるとその場に座り込んだ。 「「「「「「ゆっ!?」」」」」」 はじめて見ると思しき人間のモノに喋れない娘たちは一瞬ぎょっとする。 けれで、いつも通り蜂蜜をたんまり練り込んでいるので、甘い匂いにつられて徐々に興味津々と言った表情になり・・・ 「ゆーっ」 やがて好奇心旺盛な1匹のゆっくりまりさが意を決して俺のムスコにしゃぶりついた! 「おおおぅ・・・!?」 やはりゆっくりの口は良い。この感触は何度体験しても挿入した瞬間にイきそうになる。 その行為が人間にとって何を意味するのかなどゆっくりに分かるはずもなく、甘いものを食べられる幸福を満面の笑みで表現しながら必死にしゃぶりついている。 「ゆーっ!!」 すると、その様子を見ていたまりさが今、モノを咥えているまりさを押しのけて、自分が甘いモノを独占しようとし始めた。 「しくじったな・・・」 よくよく考えて見れば、6匹もいるのではイチモツだけではあまりに数が少なすぎる。 しかし、それではお預けを喰らうゆっくりたちが可哀そうだ。 そこで俺は顔と胸と足の裏にズボンのポケットに入っていた蜂蜜を塗りたくった。 「さあ、これで喧嘩しなくて大丈夫だよ!」 僕が最高のスマイルを浮かべるとその意味をゆっくり理解したゆっくりたちは元気良く俺に殺到した。 「ゆーっ♪」 「ゆゆっ!」 「ゆぅ~♪」 一番大きなまりさはさっき強奪したイチモツを相変わらず咥え続けている。 その舌使いはなかなかにテクニカルで、俺のムスコははちきれんばかりに怒張していた。 足の裏を攻めるのは2匹のれいむだ。少しくすぐったいが一生懸命な姿は実に感動的。 胸部に舌を這いずりまわすのはれいむとまりさ。時々乳首を舐められるのだが、そのときの快感は言葉にしがたいものがある。 最後に顔を嘗め回しているのはゆっくりまりさ。舌と全身を巧みに使って俺をしゃぶり倒すその動きは実に官能的なものがある。 6箇所から絶え間なく与えられる快感は想像以上にすさまじく、数分後、俺はオーガズムを味わった。 ---あとがき--- これはゆっくりが喋らないことに何か意味があるのか? byゆっくりボールマン このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3774.html
※虐待側も酷い目に遭います ※しかもゆっくりに対する虐待描写は薄め ※「SAW」って小説のパロ ※前置きが長いですがゆっくりしていってね ジゆソウ 作者:古緑 目が醒めたとき俺はコンクリ張りの薄暗い殺風景な部屋にいた 体を起こして周りを見渡すと本当に何も無い部屋だ 部屋に置かれたモノは小さな木の箱が一つ、それだけ あとは離れた所にドアと…壁の下の方に大きな穴が空いている それに後ろの壁にデジタル掲示板のようなものがある 窓も無く、それだけが特徴の部屋だ もちろん俺の住んでいた部屋はこんな牢獄のような部屋じゃない 何故俺はこんなこんな所に? 俺は昨日どこで寝た? 働かない頭で懸命に記憶を辿っていると脚の先でジャラッと音が鳴った 薄暗くて良く見えなかったが脚の先に何か付いてる 鉄の輪だ 輪は右足首にガッチリと食い込んでいる 輪には鎖が付いており 呆然と鎖の先を目で追っていくと壁のパイプに錠で留められていた 「うおおぉおぉぉおぉぉぉぉ!!?」 まさかとは思っていたが これは「ジグソウ」の仕業か!? ちょっと前にアメリカ全土を恐怖に落し入れた連続殺人犯 事前に被害者を丹念に調査した後に拉致・監禁し 『ゲーム』と表して命懸けの無茶な試練を被害者に課す それに勝てば生き残り、負ければ… まさか日本にも来ていたと言うのか!? もしそうだとしたら俺はこれから恐怖の試練を? 何とかこの鎖を外す道具は無いかと体中のポケットを探ると ジャケットのポケットからカセットテープが出てきた ジグソウとそっくりな手口だ 『ゲーム』を始める前にカセットテープ等を通してルールを伝える 恐れていた事が現実のモノとなってしまった 駄目だ…怖くて再生ボタンなんて押せるワケが無い それからどのぐらい時間が経ったのか 数十分かも知れないし数時間経ったのかも分からない どうやらここは見捨てられた廃ビルのようで 人の気配はおろか車の音も聞こえない ここままだと俺は数年後に醜いミイラとなって発見される事になりかねない やるしかない…俺は次第に覚悟を決めていった テープを再生しよう 『ーおはよう○○ 私はジグソウの意思を継ぐ者…ジゆソウだ 今日はゲームをしよう』 まだ若そうな男…俺とそう変わらなそうな歳の声だ 日本語で話している 『お前は月に何度もペットショップで 質の悪く安いゆっくりを買っては自宅で嬲り殺している お前のゆっくりに対する強い憎しみは消える事が無い 今日はお前の命がその憎しみを超えられるか試してやろう 憎しみが死ぬか?お前が生きるか? ルールは簡単だ そちらにゆっくりを順番に4匹送る 制限時間内に全て殺したらゲームオーバー 制限時間の終わりとともに部屋ごとお前は爆破される事になる ゲームが終わるまで一匹でも生かしておく事が出来たら 足輪の錠と扉の鍵を遠隔操作で外し、爆弾を止めよう …あぁ、忘れる所だった お前がゆっくりを拘束したり 暴力を振るったり ゆっくりの口を利けなくさせたら『殺した』と見なす 私は常にお前を見ている ルールはそれだけだ では、ゲームスタート』 ジグソウではない どうやらジグソウに憧れるだけの模倣犯のようだ この手の犯罪者は今までにも何人か現れた このジゆソウを名乗る変態野郎は事前に俺の事を調べたのか 俺が自宅でゆっくりの命を弄んで楽しむ事を知っていた 過激な動物愛護団体の一員かと思ったがそれも違うようで ゆっくりを殺して喜ぶ俺の元へゆっくりを送るのだそうだ 『爆発』と聞いてまさかと思い 箱の中身を覗いたところタイマー付きの爆弾らしきモノがあった 堅い木の箱に固定されて外せないようになっている 実物を見ると少し怯んだが大した事は無い ハッ お粗末なゲームだ ゆっくりを4匹殺したら部屋ごと吹っ飛ばすだと? 制限時間まで我慢したら足輪が解除されるだと? そんなの簡単だ!笑わせやがる ここで制限時間一杯まで黙ってじっとしてりゃそれで終わり! 簡単だ!なんてぬるゲーだ! 見てろ、何が目的だか知らねえが こっから出たらその足で警察に通報しに行ってやる ブタ箱にぶち込まれて酷え目に遭うのはお前だ どうやら『ゲーム』は始まったようだ 既に爆弾のタイマーが作動し始めた 今タイマーは59:20を表示している 制限時間は一時間だ 薄暗くて天井の様子はよく分からないが あの口ぶりからカメラかなにか仕込んで俺を見てるのだろう でかい穴から何かが出てくる 男の言ってた通りゆっくりが出て来るんだろうな ノロノロしやがって…出てきたな あのフォルムはー 「みゃみゃ~!どきょにゃの~?ゆゆっ?ゆっきゅちちていっちぇね! りぇーみゅはりぇーみゅだよ!ゆっきゅちりきゃいしちゃら ばきゃなにんげんはあまあまを」 もう一匹殺してしまった 何がぬるゲーだ? こんなの反則だ 俺はこいつ等ゲス赤ゆっくりが反吐が出るぐらい嫌いなんだ こいつ等の人を舐めつつも媚びきった喋り方を聞くと我を失う 多少ゲスでも成体ゆっくりや子ゆっくりならなんとか我慢出来る だがこいつ等だけはー ーいや、こいつ等だけじゃない 俺が我慢出来そうにないのはこいつ等だけじゃない 俺はこのゲームを甘く見過ぎていたようだ 「憎しみを超える」ね…思っていたより簡単じゃないな 飛び散った餡子を眺めながらそんな事を考えていると 後ろの方で小さな電子音が鳴るのが聴こえた 後ろのデジタル掲示板に『1』と表示されている あと3匹殺すとこの部屋は爆破される運命になるってワケか ここからは決して怒りに自分を任せてはならない …どうやら次のゆっくりが来るようだ ノロノロしやがって…出てきたな あのフォルムはー 「ゆっへっへ…おいくそじじい!よろしくたのむんだぜぇ?」 全力で振り下ろす右腕をギリギリで止める事に成功した 今度はゲスまりさか…かなりでかいサイズだ 俺はこの類いのゲスまりさをショップで買って家に持ち帰ったら 水を含ませたタワシで『無くなるまで』延々と擦り続けるのが大好きだった 振り上げた手に驚いて固まってたこのゲスまりさだが 俺が危害を加えないと分かるとニヤニヤしながら近づいてきた 「ゆ…ゆへへ…!おどかしやがるのぜ…! あのじじいのいったとおりなんだぜ! まりささまにはんこうできないのはわかってるんだぜ? きょうはゆっくりたのしんでやるのぜ!」 最悪の展開だ ゲスまりさはジゆソウにある程度の事情は聞いてるようで 自分が人間に敵わない事は理解しているようだが 構わず攻撃を仕掛けてきた 人間に恨みがあるのか座ってる俺の肩あたりに 鬱憤を晴らすように体当たりを続けてる デカイだけあってちょっと痛い こめかみに浮かんだ血管がドクドク波打つのが分かる 「ゆひょおぉおぉおぉ!!さいこうなんだぜ! おらおらどうしたくそじじい!まりささまのつよさをおもいしるんだぜ!」 ヤバい今にも手が出そうだ…! そうだ!こいつを言いくるめて静かにさせとけばいいんだ! それならルールにも反してない! 「…オイまりさ…!お前がここでこのままゆっくりしてたら 俺が後であまあまを山ほどくれてやる…! それだけじゃない…!最高の美ゆっくりや最高の」 「だまるんだぜ!くちのききかたがなってないじじいだぜ! 『まりささま』ってよぶんだぜ!?このッ!このッ!」 早くブチ殺したい 噛み締めた奥歯が砕けそうだ このクソまりさが…制限時間が終わり次第連れ出して じっくりと!…楽しんでやるぞ…!! 顔を真っ赤にして耐えていると ふとシャツに何かお湯のようなものがかかるのを感じた 「ゆっへへへへ! まりささまのしーしーできたないじじいをきれいにしてやるのぜ! どげざしてじょうずに『おねがい』できたら まりささまのうんうんをたべさせてやるんだぜ?」 『2』と表示されたデジタル掲示板の下で 俺は頭を抱えていた あの後まりさは歯を全て砕いた後 リンゴの皮を剥くように皮を剥いてやった 横でピクピクしてる黒いのが『それ』だ…一応まだ生きてる 非常に気持ちが良かったがそれどころではない もう後が無い! あと2匹殺したらこの部屋は爆破され俺の人生は終わりだ! タイマーはまだ42:44を示している いっそのこと手を潰すか?でも道具も無しにどうやって!? 無理だ!そうだ! ズボンを脱いで顔に巻いて目を隠し耳も塞ごう! ゆっくりの顔を見ず声も聞かなければ怒る事も無い! ズボンを脱ぎさぁ顔に巻き付けようとしたその時 穴からゆっくりが出て来るのが見えた 後になって思ったがこの時出てくるゆっくりを見なければ良かったのだ ノロノロしやがって…出てきたな あのフォルムはー 「ゆ”っ!じじいがごはんをくれるにんげんだね! はやくもってきてね!おちびちゃんがおなかをすかせてるんだよ!」 「とっととよこちぇ!じじぃ!」 でいぶだ 今までの奴等とは格が違う サイズもさっきのまりさよりも一回り大きい しかもゲス赤ゆっくり付きのハッピーセットと来たモンだ 俺にとっては最悪の相手 目の前が真っ白に…否、真っ赤になったものの耐えられたのは 巻き付けたズボンのおかげか学習によるものか それにしてもなんてデカイ声だ ズボンの上から耳を手で押さえ付けても全然効果がない 「はやくもってきてね!れいむはしんぐるまざーなんだよ!? かわいそうだとおもわないの!? もってこないの!?ばかなの?しぬの!? 「ゆ”え”ぇ”えぇぇんおながちゅいだよぉおぉぉ! くちょじじい!はやきゅなんとかちてね!」 散々甘やかされた個体のようで 人間をエサ係としか認識していない いい加減無駄だと悟り顔からスボンを剥ぎ取った 本当に醜いゆっくりだ こんな奴等がいるから…!! 俺がコイツ等を憎むようになったのは このでいぶのようにゆっくりの中で最低の個体が存在するせいだ 俺はかつてゆっくりれいむを溺愛するぐらい ゆっくりの事が好きな人間だった 毎日自分で調理した栄養のある食事と 朝早くのれいむとの散歩 今でもれいむが頬を寄せて来る夢を見る事がある ある日れいむは死んだ 母が夕方のれいむの散歩中うっかり近所のオバさんと 話し込んでる間れいむから目を離し、 その間に母から少し離れたれいむは 中学校の通学路で 悪ガキ共に石蹴りの石代わりのように蹴り殺されたのだ 何故そんな事を悪ガキ共がしたのか? 単純な悪意から小動物を虐め殺した…それだけじゃない 今じゃ俺の住むような田舎じゃゆっくりなんて害虫扱い ゆっくりを飼うヤツはほとんどいない どうしてそうなったのかというと このでいぶのようなゲス共が好き放題暴れたからだ ゲスゆっくりは大抵 群れの中でハブられて居場所を無くした負け犬共で 人の住む所まで降りてきては ゴミ漁り、人の家に侵入、おうち宣言、 路上での交尾、騒音公害、交通妨害、甘味要求、 散々好き放題やってくれるワケだ これは碌な躾も受けず捨てられた元飼いゆっくりも同じ だんだんとゆっくりはゴミ屑だと多くの人に認識され始めた その御陰で迷惑を被ったのが 俺のれいむや自然の中でひっそりと暮らすような 人に迷惑をかけない個体だ 知らなかった事とは言え 悪ガキ共は俺のれいむをゲスゆっくりを駆除するつもりで殺しやがったんだ 奴等は勿論の事だがゲスゆっくり共も許す事は出来ない 間接的にとは言えれいむを殺したのはこいつ等ゲスゆっくり共だからだ それからだ ペットショップの片隅にあるエサ用のゆっくりの中から 特にゲスな個体を見定めて 恨みを擦り減らすように嬲り殺し始めたのは ゆっくりを殺す事を正当化するつもりは無い ストレス解消に、全く自分勝手な虐殺をしてる事は認める だがゲスゆっくりが俺に向かってそんな口を利く事は許さない でいぶごときが『れいむと同じ顔をして』そんな口を俺に利く事は許さない 「きゃわいいれーみゅはおなきゃすいてるんだよぉぉ!?」 「…うるせえ」 「おぢびちゃんがおながすいたっていってるでしょおぉおおぉぉ!? にんげんはごはんもってくるしかのうがないんだからさっさとしてね! りかいできないの?ばかなの?」 「うるせぇってんだよ!!」 デジタル掲示板が『3』を表示した 「おがぁぢぁぁぁぁああぁん!?」 「だじずるのぉおぉぉおおおぉ!!? ぐぞじじい!!でいぶがはんごろじにじでやるぅうぅうぅ!!」 「クズ共が!!よくも俺のれいむを殺しやがったな!! れいむと同じ苦しみを味あわせてからブッ殺してやる!!」 それから後の事は 泣き叫ぶ赤ゆを叩き潰してやった事までしか覚えていない 我に返った俺は 『4』を示す掲示板の下でガタガタ震えていた タイマーは既に残り十分を切り09:33を表示している もうおしまいだ! 残り十分足らずで俺はこの部屋ごと爆破される! 俺は自分のやった事を後悔していた こうなったら自力で爆弾を止めなければならない だがどうやって?俺には着ている服ぐらいしか道具が無い! どうする!? 「…ゆ…ぐぞじじい…はゆっぐり… ね…」 「がわいぞう…なでいぶに…だんでごどずるのぉ…?」 死に損ないのゲスまりさとでいぶが何やらほざいている こいつらの雑音のせいで考える事に集中出来ない デカイ図体して泣き喚きやがって 今からでもその口を利けないように…! デカイ図体? そうだ…! どうせなにも出来ないのなら賭けるしか無い こいつらを使った賭けだ 「ゆ”っ…!ざわるな…!」 「ぼぉやべるんだぜぇ…」 「…かなり痛いだろうがゆっくりしてろよ」 次の日、廃ビルから少し離れた路上で 痩せた青年が逮捕された 偶然男を拉致する現場を目撃した男性が 車のナンバーを記憶していた事によって 素早く事件が解決されたのはまさに男の幸運だった 痩せた青年は男の行きつけのペットショップ従業員で どういうワケか事件の動機を話す事は無かった 爆弾はネットで調べて作り上げたものだと言う 爆音を聴いたとの報告を受け警察が救出に向かい 男はビルから救助された 素人の犯行と言う事もあったのだろうか 犯人の作った爆弾は部屋を吹っ飛ばすような威力は無く、 更に男は部屋の端に体を縮め 二つの饅頭の塊を伸ばして盾にする事で爆風を防ぎ 頭を壁に打つけて針を縫う程の怪我こそしたものの 奇跡的に他は軽傷で運び出された 「ジグソウ」のゲームに勝利し生還を果たした者は 不思議と「ジグソウ」に感謝するようになる事があるそうだが この男は「ジゆソウ」に感謝するようになった ジゆソウが調子に乗ったゲスゆっくりを嬲り殺す事の 快楽を再認識させてくれたからだ 男はこれからまた一層ゲスゆっくりを殺し続けるだろう 担架に乗せられた憎しみと共に生き残った男は 気を失っているにも関わらずその頬を醜く釣り上げていた ー完ー
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4199.html
数十キロはあった糞便を片付けるのに、丸一日かかった。 たった一日というと思ったより短いようだが、 まりさ共が口内の糞便を飲み込むたびに、 俺や使用人がひっきりなしに詰め替え、それがおよそ二十時間以上だ。 「かひゅうーーーーーーー………あひゅううーーーーーー……」 輪を取り外され、まりさ共は憔悴しきって、 吊り下げられた全身を波打たせている。 「うまかったか?」 俺が聞くと、しばらく開ききった口をもごもごさせてから、 上顎支点で吊り下げられたままで返答が帰ってきた。 「ゆっぐ……ゆっぐり……でぎだいぃぃぃ……」 「……ゆっぐじ……じだい……じだいぃぃぃ」 「おろじで……おろじでぇぇ……」 「口に合わなかったか?それは悪かった。 もっとゆっくりできるごはんを持ってきたよ」 そう言うと、俺はカートを新しく運んできた。 カートの上には、再び青いビニールで覆われた皿。 大きな皿をいくつか台の上に、まりさ共によく見える位置に置いてやる。 まりさ共の目は怯えていたが、いくぶんかの期待の色が見え隠れしていた。 もしかしたらこの人間は勘違いをしてあんなものを持ってきただけで、 今度はちゃんとゆっくりできるごはんを持ってきたのかもしれない。 そんなところだろうか。 「ゆっくり……ゆっくり……」 震える声で呟くまりさ共の前で、次の食事を公開してやる。 「ゆあああぁぁぁーーーーーーーーーーっ!!!」 悲鳴が上がった。 ひどい腐臭の中で、俺は解説してやった。 「かき集めるのが大変だったよ。いまは夏場だからごらんのとおりだが、 まあお前たちゆっくりなら大丈夫だろう」 犬や猫、鳥や狼、町や森の中で拾ってきたあらゆる獣の死体が皿の上に乗っている。 どれもこれもひどい腐臭を放ち、体中に蛆が蠢いていた。 猫の眼窩や犬の裂けた腹部、穴という穴は蛆だらけだ。 蛆のほかにムカデやミミズ、なんだかよくわからない虫たかっており、 その上では大量の蠅がぶんぶんと飛び回っている。。 手近な猫の死体を長い菜箸でつまみ上げてやると、 腐りきって緑色に変色した肉はぐずぐずになってたやすく崩れ、黄色い膿が長い糸を引いた。 緑に紫に黄色に赤、一度死んだ肉は本当にカラフルになるものだ。 「ぐざい!!ぐじゃいいいいいい!!!やべでえええええ!!」 「おでがいいいいいいいぢがづげだいでえええええええええ!!!」 「急いで噛みつぶさないと、ウジやムカデがお前らを食うかもな」 「いいいいいいいやああああだああああああああああーーーーーっ!!!」 脅してやったおかげで、白目を向いて痙攣しながらも、 口腔内に放り込まれたまりさ共は今度は必至に咀嚼していた。 柄杓の表面にこびりついた蛆がまりさ共の表皮を這いまわり、目の中に一匹二匹侵入する。 嫌悪に身をよじらせながら、それでもまりさ共は泣きながら食事を続けた。 虫に関しては、もともと毛虫やら蝶々を食うゆっくりだから問題ないだろう。 顎の動きから嚥下を確認する度に、輪の蓋を開けて次の腐肉を注ぎ込む。 そのたびごとに、まりさ共は泣きながらあらん限りの声をあげて慈悲を求めた。 「ゆおおおおおおごおおおおごごごごごおおおおおああああああーーーーーーーーー」 まりさ共の努力で、腐肉は一日かからずに片付いた。 次はまともな食品を食べさせてやることにする。 その日俺が運んできたカートの上には、大きなボールがいくつも載せられていた。 そのいずれも、粉やらどろりとした液体やら練りものでなみなみと満たされ、 緑や黄色もあったが、それら内容物はおおむね赤かった。 まりさ共はきょとんとそれを見ている。 どうも味が想像できないようだ。 俺は親まりさの口に再び輪をはめた。 「ゆごっ!!おごっ、わっかさんはゆっぐじでぎだいぃいいごっ!!」 ばたばたと抵抗しながら、なすすべなく輪をはめられて大口をあける親まりさ。 「味見してみるか?」 俺は手近なボールから赤い粉を指ですくうと、 親まりさの口内に刷り込んでやった。 「!!??」 びぐん、と親まりさが空中で跳ねた。 「ゆぼびょがぎょぼばごぎゃがばああぁぁあーーーーーーーー!!!」 すさまじい絶叫をあげ、すぐにも吐き戻そうとするが、 俺がすぐに蓋を閉めたので、あわやというところで餡子は口内で止まった。 それでも親まりさの痙攣は止まらない。 いつまでたっても止まない親の悶絶を見て、子まりさ共が恐怖に震えている。 「トウガラシだよ」 俺は教えてやった。 甘味そのものたる饅頭でできているゆっくりにとって、辛味は毒である。 正確には辛味そのものが毒性を持つわけではなく、 あまりの苦痛に餡子を吐き出してしまい、 それが致死量を超えることが少なくない、ということだ。 50cm級のボリュームを持つ親まりさが、 ただひとすくいのトウガラシでなお暴れ続けている。 白目を向いた眼窩から涙が吹き出し続け、 すでに枯れ果てていると思われたしーしーとうんうんが、 すごい勢いであにゃるとまむまむから放出されていた。 本来ならとっくに絶命しているだろう。 しかし、死なせることは俺がしない。 食わせたはしからすぐに蓋をしてやるので、 たっぷりと味わってもらうことができる。 念のため、あにゃるとまむまむもガムテープで塞いでやることにしよう。 こうして、ゆっくりがいまだかつて味わったことのない世界に、 このまりさ共が、ゆっくり史上初の一歩を踏み出すことになるわけだ。 さぞ誇らしいことだろう。 親まりさがトウガラシを消化して動きが収まるまでに、 たっぷり十分はかかった。 「かひゅうーーー……ほひゅうーーーー……」 白目を向いたまま、親まりさは放心した体で呻いている。 「ちょっと味見しただけでこんなにゆっくりしてくれるんだな。 たっぷりあるから、ゆっくり味わっていってくれ」 そう言ってやり、トウガラシの粉を柄杓でたっぷり掬った。 親まりさの口に近づけるが、親まりさはまだ白目を向いたまま揺れている。 俺の声も耳に入っていないようだ。 構わず、口いっぱいにトウガラシを頬張らせて蓋をした。 親まりさが爆発した。 もちろん比喩的表現だが、まさにそれは爆発だった。 吊り下げられた状態で、よくもこれほど動けるものだ。 そう感心してしまうほど、電流に打たれたように跳ね回っていた。 ビビビビビビビビビビビビビビビビビ。 下膨れの顎が、上下左右にぶんぶんとシェイクしている。 まるで釣りあげられた直後の魚、いやそれ以上だ。 「ゆぁああああああ……ゆわぁああああああ………」 子まりさ共が絶望のシンフォニーを奏でている。 次は自分たちだ、それは痛いほど理解できているようだ。 命乞いをする気力もなく、ただ泣くことしかできない。 それでも、輪をはめられる段になると本能的に騒ぎはじめた。 「やべで!!ゆっぐりやべで!!やべでぇええええ!!まりざだげはぁああ!!」 「ゆっぐりじだいいいいいいい!!ゆっぐりざぜでぇええええええええ!!!」 「いやぁあああああいやぁあああああごろじでええええーーーーーっ」 三匹の子まりさ共には、また違うものを味わってもらった。 カラシを詰め込まれた子まりさは、やはりおこりのように痙攣している。 トウガラシとあまり変わらない。 わさびを詰め込まれた子まりさは、これも痙攣しているのだが、 カラシとはやや違うようだ。 半分白目を剥いて、下顎というか腹を前方に限界まで折り曲げて、 ぐにゅりと折りたたまれた状態で硬直しながら痙攣している。 わさびの辛さは鼻にくる。 想像するに、この量では「ツーン」というような生易しいものではなく、 脳天を錐で突きとおされているような感覚ではなかろうか。 最後の子まりさは、コショウを詰め込んだ。 すさまじい勢いでせき込んでいるが、 鼻がないので、口をふさげば何も出てこない。 膨れてはしぼむのをすごい速さで繰り返し、まるで早鐘を打つ心臓のようだ。 四匹ならんだゆっくりが痙攣しつづける様は壮観だった。 どれもが人間でもできないようなすさまじい速さで痙攣し、 微塵もゆっくりしていない。 見やると、隣のゆっくり共が反対側の壁にぴったり身を寄せて震えていた。 ゆっくりできないものを極端に恐れるゆっくりにとって、 高速で動くものは恐怖の対象である。 まして、同族であるまりさがすさまじい速さで痙攣するこの光景は、 こいつらにとってあまりに恐ろしいのだろう。 こちらに背を向けて壁にしがみつき、恐怖に泣き叫んでいる。 俺はスイッチを操作し、向こう側のマジックミラーを鏡に戻して、 向こうからは見えないようにした。 さて、この辛味を片付けるにはどれだけかかるか。 結論から言うと、まりさ共の反応は、やること自体はそう変わらなかった。 どれもすさまじい勢いで痙攣してばたばた暴れるというものだが、 その痙攣の度合が、きれいに辛味に比例するようだ。 より辛いものを食わせるたびに、痙攣の間隔が速くなり、ぶれる大きさは増大していった。 辛味は、スコヴィル値と呼ばれる数値で計測することが可能である。 トウガラシの辛味は、およそ三万~四万といったところだ。 スコヴィル値三十五万のハバネロを食わせたときは、 バイブレーターのように震えていた。 ビビビビビビから、ビィィィィィィーーーーーー………という感じだ。 下腹部はもはやぶれてよく見えない。 最終的には、世界一辛いトウガラシと言われる、 スコヴィル値百万のジョロキアを食わせた。 この時は驚いた、その痙攣はもはや擬音に変換できるレベルを超えている。 体のぶれは早すぎて、ぱっと見ではまったく動いていないように見えるほどになり、 ぶれる下腹部の軌道がそのまま輪郭となって、 頭部分だけがにょきりと突きでた扁平な饅頭のように見えた。 はたから見ていても異常な光景だが、 こいつら自身の感じている苦痛たるやどれほどのものだろうか。 つくづく、ゆっくりの不可解さと頑丈さを思い知った。 他の生き物の筋肉では、どれだけの刺激を与えてもここまで動けるものではないだろう。 ゆっくりという名前に反して、この生き物はすさまじい潜在能力を秘めているようだ。 辛味を食わせはじめてから最後のジョロキアを片付けるまでにかかった時間は、二週間だった。 そもそも、この激痛では「食う」という思考さえ発する余裕がないだろう。 意思とは無関係に喉から勝手に吸収されるのを待つ、という緩慢な食事だった。 ともあれ少々不安はあったが、餡子さえ吐かなければ、 どれだけ辛いものを食べても死なないことは証明された。 人間だって死にそうなものだが、これも意外なゆっくりの耐久性といったところか。 辛味を食わせるのにだいぶ時間がかかったが、次はすぐに終わるだろう。 発狂のできない悲しさでいまだ意識を保っているまりさ共に、俺は聞いてやった。 「かき氷って好きだったよな、お前ら」 コンビニで買ってくるかき氷が、このまりさ共は好物だった。 夏場などは他のれいむやありすから奪い取って貪っていたものだ。 かき氷と聞いて、まりさ共の目が輝いた。 「すきぃ!!かきごおりだいすきなんだぜぇええ!!ゆっくりできるうううううううう!!!」 「さんざん辛いものを食わせたからな、次は冷たいものをと思って今日はそれを持ってきた。たっぷりな」 「やったのぜええええええええ!!!やっとゆっくりできるんだぜええええええええ!!!」 「おにいさんはやっとわかったのぜええええええ!!?えらいんだぜえええええええ!!!」 「ゆっくり!!ゆっくりできるううううううう!!!ゆっくりいいいいいーーーーー!!!」 言葉遣いが少しばかり戻ってきたようだ。元気でいいことだ。 狂喜する親まりさの口に、再び輪を嵌める。 「ゆっ!!?やめるんだぜ!!わっかさんなくてもまりさはたべるんだぜぇおごっ!!」 あれだけ辛味を食べていても、中の様子は一見変わっている様子はなかった。 あれでもすべて餡子に変換しているらしい。ゆっくりコンポストが人気なのもうなずける。 四匹並んで大口をあけるまりさ共の前で、俺は道具を取り出した。 まず、ペンチを持ち出して親まりさの歯を挟む。 強度はともかくとして、 直径50cmにもなるまりさの歯は相当でかく、直径2~3cmはあるようだった。 「ゆゆぅぅううぐぅぅぅう!!?」 自分がされることを察知したらしい親まりさがじたばたともがき始めた。 俺はペンチをゆっくりと傾け、歯をねじっていった。 「ゆごっ、ぼっごっごごごごごっごおおおおおおおおお!!!」 一回転したところで、歯はたやすく根本から抜けた。 親まりさは大粒の涙をぼろぼろ流して呻いている。 「ゆあああああいいいいいいいいいい………えううううううううぐううううううう」 手早く次の歯にペンチを伸ばした。 ここでの初日にさんざん蹴りつけたせいで、すでに多くの歯が折れていたが、 半分折れているようなのも含めるとまだ十本はあった。 それらを綺麗に、全部こじり取る。 健康な歯を、引っこ抜かれるならまだしもねじられて抜かれる痛みは相当なようだ。 ねじられていく歯が歯茎を押し潰し、破壊していく。 「ごごぉおおおおお!!どおおおおおおお!!!あうぐううううううううーーーーーーっ!!!」 すべてを抜いた後は、まりさの大口の中に白いものはなくなった。 餡子とはいっても、歯茎を構成する部分は比較的固く、骨格に近い働きをしているようだ。 歯があった跡は、すべてぐずぐずの穴の列になり、 ピンク色の歯茎に、露出した黒い餡子がU字型に並んでいる。 子まりさ共を見やると、全員がすでに大粒の涙を流していた。 「やべでえええええええゆるじでええええええーーーーーーーーーっ」 「いりまぜん!!がぎごおりいりばぜええええええん!!!ぢょうじのっでばじだああああああああ!!!」 「ばざんぬがないでええええええええごばんだべられだいいいいいいいいい」 「歯がなければまともに喋ることもできないからな。必要になったらまた挿してやるよ」 子まりさ共にも輪っかをはめて口を開けさせ、歯をすべてこじり抜く。 ひとまずこれで目的は達成できるが、さらに念を入れる。 工業用の電気ドリルを持ち出すと、再び親まりさから処置を施す。 直径1センチ程度の細いドリルを、歯の抜けたぐずぐずの跡に突き入れた。 「がびゃあっ!!!?」 びぐんと跳ねるまりさを押さえつけながらスイッチを入れ、 回転するドリルをゆっくりと歯茎の奥まで突き込む。 「ががががががががががががががががががががあああぁ!!!!!!」 どれぐらい入れるか少し悩んだが、5センチぐらい突っ込み、 突っ込んでは内部でねじり回して神経を引っ掻いた。 本気で引っ掻くとたやすく歯茎ごと崩れてしまうので慎重に行う。 「ばいいいいいいいぐうううううういいいいいいいおおおおおごごごごごばばばばばだあああだああああああああががががががあああああああーーーーーーーーーっ」 すさまじい声量の悲鳴が部屋に充満する。 「ゆううううううううう!!!あゆううううううううううう!!うううううううううーーーーーーーっ!!!!」 子まりさ共も自分がされる前からひっきりなしに悲鳴をあげている。 研究者によれば、外見と同じくゆっくりの体のはたらきは人間と酷似しており、 歯茎の中にも、神経と同じ作用をする餡子が詰まっているらしい。 一見崩れた餡子の塊にしか見えないが、 ぐしゃぐしゃの歯茎の中で、神経となる餡子がむき出しになって外気に晒されるわけだ。 俺も昔歯医者の世話になったことがあるが、その苦痛は俺の体験の万倍にもなるだろう。 「あがああああああああごおおおおおおおおおおーーーーーーー」 すべての歯の神経をかき回されむき出しにされたまりさ共は、 俺がドリルを抜いたあとも叫び続けていた。 神経が外気に触れるだけでもすさまじい苦痛を呼び込むようだ。 「じゃあ、食事にしようか」 俺の言葉にもまりさ共は反応せず、忙しく叫び続けている。 仕方がないので勝手にやらせてもらうことにした。 連絡して、スチロールの箱を大量に運び込んでもらう。 スチロールの箱の中に、ドライアイスで冷凍保存された袋詰めのかき氷が大量に詰められていた。 それらをかたっぱしから大きなボールに開けると、 ボールをそのまま親まりさの前に持っていく。 親まりさは歯茎の痛みに暴れまわっていたが、 視界の端で俺のやっていることを捉え、さらに涙の量を増やした。 もはやスプリンクラーのように涙が飛び散っている。 溢れるほど口いっぱいに氷をつめこみ、急いで蓋をする。 白目を向いていた親まりさの目がいっぱいに見開かれた。 氷の冷気が、歯茎の神経を通って餡子の髄まで貫いたようだ。 ぐるぐると瞳を回転させ、親まりさはすさまじい勢いで暴れまわった。 振り子のように前後に顎をぶんぶん振っている。 全員にかき氷を食わせて観察する。 しばらくの間まりさ共は暴れていたが、やがて意外な反応を見せはじめた。 目をぎゅっと閉じて体を縦にめいっぱい伸ばしている。 どうやら、せめて上顎の歯茎に氷を当てないようにしたいらしい。 限界まで大口を開けさせたうえで満杯に氷を詰め込んだのだから、 そんな事をしても顎はそれ以上開きも閉じもしないのだが、 縦長に体を伸ばしているまりさはそれなりに珍しい見ものだった。 もっとも、今後はもっともっと珍しい状態を見せてもらうのだが。 氷は数時間で片付いた。 食べるというより飲み込むだけなのでさすがに早い。 その日のうちに、俺は次の食事を出した。 「それじゃ、後は野菜をやろう」 まりさ共の目が開き、恐怖8、媚びが2程度の感情を湛えた。 「安心しろ。腐ってない、新鮮な野菜だ」 ここまでされても期待を捨てられないのが餡子脳たるゆえんだ。 それゆえにタフなゆっくりを、完全な絶望と後悔に染めるには骨が折れそうだ。 もっとも、絶望を味わわせる試みはまだ始まってもいない。 じっくり腰を据えてかかろう。 最後に俺が持ってきたのはサボテンだった。 口いっぱいにサボテンを詰め込まれ、 ぐじゅぐじゅに潰された歯茎を含めた口中を針で刺し貫かれながらまりさ共は苦痛に身をよじる。 これを食わせるにあたって、まりさ共をフックから取り外し床に置いてやった。 苦痛にのたうちまわるほどに、まりさ共の口内のサボテンは床に押されてますます針を深く突き立てる。 一応は有機物なのだからいつかは消化されるだろうが、 サボテンの固い表皮が餡子に変換されるにはまた相当かかるだろう。 しばらくは、これらのものをローテーションさせながら不眠不休で食べてもらうことになる。 回復力の強いゆっくりだから、歯茎はすぐに回復する。 そのたびに電気ドリルで神経をむき出しにすることで、 食事による苦痛は数倍になるだろう。 歯がなく咀嚼できないため、頼りは体液による消化のみだ。時間もかかる。 まりさ共については、ひとまず今のところはこんなものか。 まりさ共と並行して、れいむ共とありす共にも処置を行っていた。 初日、れいむ種の四匹は、 目覚める前にそれぞれ個室に入れた。 およそ1~2m程度の、ピンク色の不透明な箱だ。 親れいむが目覚めると、周囲は狭いピンク色の空間だった。 「ゆゆっ!?」 状況がつかめず、うろたえて周囲を見渡す親れいむ。 見慣れない場所。家族の姿も見えない。 「ゆっ!くそどれいはかわいいれいむをさっさとここからだしてね!!」 れいむは叫んだが、それに対する返答はなく、 代わりに挨拶が返ってきた。 「ゆっくりしていってね!!」 背中から聞こえてきた声に振り向くと、そこには知らないまりさがいた。 自分とほぼ同サイズのそのまりさの姿に、れいむは息をのんだ。 絹のようにさらさらで輝くばかりの光沢をもつ金髪、 ビロードのようなてかりを放つ黒い帽子、 ふっくらもちもちの、極上の血色もとい餡色を帯びた肌。 今まで見てきたゆっくりなど問題にならないほどの極上の美まりさだった。 「ゆっ!ゆっくりしていってねぇぇ!!」 息も荒く、れいむは言い放った。 「まりさのいえにいらっしゃい!ゆっくりおともだちになろうね!!」 美まりさが返してくる。 そのころころした美しい声に、親れいむはまためろめろになるのだった。 家族たちが不安ではあったが、 甘やかされきった彼女には、心配ごとはすべて奴隷が片付けるものであったから、 外に向かって命令すればすぐに会えると思い、 今は目の前のまりさとゆっくりすることに集中することにした。 やや緊張しながらも、他愛のない話を交わす。 美まりさは性格もよく、いろんなことを知っていて、話していて楽しかった。 すっきりしたい、という欲望が頭をもたげるのにそう時間はかからなかった。 夫のまりさに対する操が一瞬頭をよぎったが、 妾を堂々と連れてくるあのまりさに対し、あてつけでこちらも存分にすっきりしてやろうと思った。 どういうきっかけを作ってすっきりしようか逡巡しているうちに、 ピンク色の室内に、なにやら香が漂ってきた。 無味無臭のその香りに気づかぬまま、れいむとまりさはそれを嗅ぎ、 嗅いでいるうちに表皮がほんのりと湿り気を帯びてきた。 「ゆふぅ……ゆふぅ……まっ、まりさぁぁ……」 催淫剤の香だった。 発情に頬を紅潮させ、れいむは辛抱たまらずまりさにすり寄った。 まりさも抵抗せず、れいむのすりすりにリズムを合わせてうごめきだした。 しばらく摩擦で気分を盛り上げたあと、 美まりさはれいむに向かって、いきり立ったぺにぺにを見せつけた。 「ゆふぅぅ~……すっきりしたいよ……!」 「ま、まりさにならいいよ……!」 れいむはまむまむを突き出し、迎え入れる姿勢を取った。 美まりさ共には躾を施してあった。 すっきりは、ぺにぺにを相手のまむまむに刺すやり方でなければいけない。 全身を擦り合わせる方法ではすっきりできない。 そのように刷り込んであった。 擦り合わせる交尾では、植物型にんっしんっとなり、 ぺにまむ型では、胎生型にんっしんっとなる。 胎生型の出産をしたゆっくりは、 植物型による出産よりも、子供への愛情が強い傾向にある。 個体数が少ないことと、出産時の苦労からくるものとされている。 この特性を、今回は活用することにする。 たちまちのうちにすっきりを終え、れいむは胎生型にんっしんっを果たした。 早くもぷっくり膨らんだ顎を見下ろし、ゆふゆふ満足げな声を漏らしている。 そうしていると、今度は白いガスが吹き込まれてきた。 これには強力な睡眠剤、そして成長促進剤が含まれている。 親れいむの意識はすぐに落ちていった。 以上の手順は、三匹の子れいむ共にもそれぞれ全く同じように施されていた。 翌日、四匹のれいむ共はひとつの部屋に集められていた。 四匹とも、部屋の中心に供えられたおよそ2m四方の大きなガラス箱の中だ。 子を体内に宿したゆっくりれいむ共は 親子四匹とも、もとから下膨れの輪郭が下方向にたっぷりと膨らみ、 目と口が上方にめいっぱい偏った洋梨のような無様な姿になっている。 成長促進剤によって出産を早められたれいむ共は、 四匹とも今日が出産予定日だ。 ゆっくり達が出産に集中できるよう、この部屋に人間はいないが、 備え付けのカメラで出産の様子は別室から逐一確認できるようになっている。 俺は今、監視室でそれを見届けていた。 「ゆっ!!」 「ゆゆ!れいむどうしたの?」 「う……う……うばれるうう!!」 一匹が産気づいたようだ。 一匹の子れいむの顎の下に小さな穴が空き、外側に盛り上がりながらひくついている。 顔を真っ赤にしていきむ子れいむを、他のれいむ共が応援する。 「ゆううぅぅ!!ゆううぅぅ!!」 「ゆっくりうまれていってね!!ゆっくりがんばってね!!」 ゆっくりの出産は激痛を伴う。 生涯最大級の痛みは、痛みに弱いゆっくりにとってこの上ない苦しみだが、 ひとえに赤ゆっくりへの愛情のため、この時ばかりは文句ひとつ言わずに堪える。 「うばれるうう!!ゆっぐり!ゆっぐうううううう!!」 「がんばってね!!がんばってね!!おおきくいきをすってはいてね!!」 「おねえちゃんがんばって!!ゆっくりしたあかちゃんをみせてね!!」 「がんばづうう!!でいぶがんばづううう!!ゆっぐりいいいい!!」 「ゆっゆっゆー!!ゆっゆっゆー!!」 歯茎をむき出して全力でいきむれいむ。 腹の火山のような盛り上がりはますます大きくなり、 中心部の穴、産道が少しずつ広がっていった。 「ゆゆっ!!あかちゃんのおかおがみえてきたよ!!」 「いだいいいい!!あがぢゃん!あがぢゃあああああん!!」 「おちついていきんでね!!だいじょうぶだからね!!」 産み方を指示しているのは親れいむだ。 「かわいいあかちゃんだよ!!がんばってね!!」 「ゆぐっ、ゆぐっ、ゆぐぐぐぐぐぐぐぐうううう」 涙を流し、歯を食いしばりながらいきんだ末に、 れいむはついに赤ゆっくりを生みだした。 ぽん、と勢いよく飛び出して床に着地したれいむ種の赤ゆっくりは、 ぎこちない動きで母親に向きなおると、笑顔で叫んだ。 「ゆっきゅちちていっちぇね!!」 それを見届け、れいむ達の視線が産んだれいむに向けられる。 赤ゆっくりの生まれてはじめての挨拶。 出産の苦痛があとを引く中で、産んだれいむはそれでも満面の笑みを浮かべて叫んだ。 「ゆっくりしていってねええ!!」 「おきゃあしゃん!!ゆっきゅりしちぇいっちぇね!! ゆっきゅりしちぇいっちぇね!!」 飛び跳ねながら母親のもとに駆け寄る赤ゆっくり。 「おちびちゃん!ゆっくりしていってね!!」 「とってもゆっくりしたあかちゃんだよお!!」 「れいむがんばったね!!えらかったねええ!!」 周りのれいむ達も口々に祝福の言葉を贈る。 幸福感に満ちた表情ですりすりをするできたての親子を眺めながら、 一様にたるんだ笑みを浮かべていた。 「ゆぐっ!!」 程なくして、別の子れいむがうめき声をあげた。 こちらも産気づいたようだ。 「ゆゆっ!!こっちのれいむもうまれるよ!!」 「がんばってね!!がんばってね!!」 数時間後、四匹の子れいむは全員が出産を終え、 箱の中では合計九匹の赤ゆっくりが動きまわっていた。 一度に数匹生んだれいむもいたため、この数になった。 赤ゆっくりの内訳は、れいむ種が六匹、まりさ種が三匹だ。 胎生型にんっしんっのため、どれも赤ゆっくりとしては大きめのみかんサイズだ。 「おちびちゃん!ゆっくりしていってね!!」 「ゆっきゅちちちぇいっちぇね!!」 「ゆっきゅちちちぇいっちぇね!!」 「とってもゆっくりしたおちびちゃんたちだね!!」 「れいむのあかちゃんたちとってもかわいいよおお!!」 れいむ共は飽きることなく「ゆっくりしていってね!!」を繰り返し、 それぞれ自分の産んだ赤ゆっくりを側に置いて頬ずりをしている。 「さあ、おちびちゃんたち!おかあさんとすーりすーりしようね!」 「ゆっ!おきゃあしゃんとしゅーりしゅーりしゅるよ!」 「しゅーり♪しゅーり♪」 「すーり♪すーり♪」 「あかちゃんたちかわいいねええ!」 「ゆっくりしてるよおお、ほっぺたもちもちねええ!」 「ゆっくりできるおうたをうたおうね! ゆ~、ゆ~ゆ~、ゆゆゆ~~♪」 幸福に満ちたゆっくりの群れ。 俺は立ち上がり、部屋に向かった。 「おにーしゃんはゆっきゅりできりゅひちょ?」 部屋の中に入ってきた俺に向かって、赤れいむの一匹が話しかけてきた。 俺は答えない。 「ゆゆっ!!ごみくずがやってきたよ!!」 「なにかってにみてるのおお!?」 「ごみくずにはれいむたちのゆっくりしたあかちゃんをみるけんりなんてないんだよお!! なにかんちがいしてるの?ばかなの!?あまあまをおいてさっさとでていってね!!」 不思議がる赤ゆっくり達に向かって、親れいむ共は教えた。 「あれはごみくずだよ!おにいさんなんてよばなくていいからね!!」 「やくにたたないくせにからだだけおおきいばかなんだよ!」 「みんな、あんなふうになっちゃだめだよ!!」 「わきゃっちゃよ、りぇいみゅはあんにゃふうににゃらにゃいよ!」 「ごみくじゅ!ごみくじゅ!」 「きゃわいいりぇいむをみにゃいでね!ごみくじゅ!!」 親に気に入られたいがために、赤ゆっくり共は俺に罵声を浴びせてきた。 「ゆゆっ、おちびちゃんたちはとってもものわかりがいいね!!」 「もっといってあげてね!!」 「くそどれいはなにしてるの?ばかなの? こんなかわいいあかちゃん、ごみくずにはもったいないよ!ゆっくりりかいしてね!!」 「こえだけならきかせてあげてもいいよ!うしろをむいててね!!」 しばらくの間好きに言わせたあと、俺は始めることにした。 箱の中に手を突っ込み、赤ゆっくりを一匹手に取る。 「ゆゆっ?おしょりゃをちょんでりゅみちゃい~♪」 赤ゆっくりを箱の外に運び出し、床に置いたところで、 呆然として見ていた親れいむ共が弾かれたように喚き始めた。 「なにやってるのおおおおおお!?」 「ごみくずうううう!!おちびちゃんにさわるなああああああ!!」 「かえせえええええええ!!れいむのおちびちゃんかえせえええええ!!」 構わず、二匹目を運び出しにかかる。 箱の中に突っ込まれた俺の手に向かって、 殺意に満ちたれいむ共の体当たりや噛みつきが襲ってきた。 まるで痛くもない。 俺はわざとゆっくり、一匹ずつ大仰に運び出していった。 「ゆがああああああ!!かえせええええええ!!」 「きたないてでおちびちゃんにさわるなあああ!!」 「ばか!?ばか!?ばかなのおおおお!?ほんもののばかなのねええ!? ばかはばかなりにみのほどをわきまえてねええええ!!」 何匹か運び出したところで、箱の隅に固まっている二匹のれいむが見えた。 角のほうにぴったりと身を寄せ、顔をぱんぱんに膨らませて俺を睨んでいる。 ほとんど運び出し、赤ゆっくりが目につかなくなったところで、 俺はわざととぼけてみせた。 「赤ゆっくりはこれで全部かな?」 「かえせえええええ!!!」 「まだ残っていたような気がするがな?」 箱の中を見回してみせると、隅のれいむ共がますます膨らんだ。 そちらに視線を止める。 他のれいむ共が口々に叫んだ。 「あかちゃんたちはごみくずがぜんぶはこびだしたよ!!」 「そんなところみてももういないよ!!ごみくずはばかだね!!」 「ゆっくりあきらめておちびちゃんをかえしてね!!」 「いないのか?」 「いないよ!!ゆっくりあきらめてしんでね!!」 「ここをまだ見てないぞ?」 「そんなところみなくていいよおおお!!いないよおお!!」 「そうか、いないのか。残念だな」 「ゆ!わかったらさっさとかえしてね!!ばーか!!」 「でも念のためだしな。一応見てみようか」 隅のほうに手を伸ばす。 ゆっくり共が絶叫しはじめた。 「いないよ!いないよおおお!!みなくていいいい!!」 「ばかなのおおお?しぬのおおお!?」 「ぷっくうううううううう!!!!」 膨らむれいむを転がすと、ぶるぶる震えている赤ゆっくりが三匹見えた。 面倒なので全部一度に持ち出す。 「ゆああああああああ!!やめろごみくずううう!!!」 九匹の赤ゆっくりは、 今や全てが箱の外で、透明な壁ごしに親ゆっくり共を見つめている。 「おきゃあしゃん、きょきょあけちぇね?」 「しゅーりしゅーりしちゃいよ?」 「かべさんゆっくりどいてね!」 親の元に駆け寄ろうとするが、ガラスの壁に遮られて進めない。 体当たりをしても跳ね返され、ついには泣きだした。 「ゆわああぁぁん!!かべさんどうしていじわるするのおぉぉ!!」 「しゅーりしゅーりしちゃいいいぃぃぃ!!」 「おきゃあしゃあああん!!あけちぇよおぉぉ!!」 親れいむ達も同じように泣き喚いている。 「おちびちゃんん!おちびちゃあああんんん!!」 「かえせごみくずうううう!!なにしてるうううう!!」 「なにだまってるのおおおお!?ふざけるなああ!!」 しばらく観察したあとで、俺は爪楊枝を取りだした。 赤ゆっくり相手に、たいした道具もいらない。 壁にへばりついている赤ゆっくり達に、爪楊枝の先端をつきつける。 「ゆぎゃっ!?」 「いぢゃいぃ!?」 ちくちくと肌を突かれ、生まれて初めての痛みに声をあげる赤ゆっくり。 「やめちぇ!やめちぇぇ!!」 「いぢゃいい!!おきゃあしゃああんん!!」 「なにしてるのおおおおお!!?やめろおおおお!!」 親れいむ共が喚き、箱の外壁に体当たりをするが、 部屋の床にしっかりと固定された箱は揺らぎもしない。 「おきゃあしゃああああん!!」 「ゆえええぇぇん!!」 爪楊枝から逃れようとちりぢりに逃げようとする赤ゆっくり共。 しかし、その鼻先に爪楊枝を突きつけ、追い返す。 元から移動速度の遅いゆっくりの幼児のこと、悲しいほどに遅く、 九匹もいるとはいえ、座ったままで充分に全員を操作できた。 今や赤ゆっくりは互いに身をよせあって一か所に固まり、 四方から迫りくる爪楊枝に、ただ泣き喚き、母に助けを求めている。 「たしゅけちぇええ!!たしゅけちぇえええ!!!」 「ゆびゃっ!!」「いぢゃあっ!!」 「もういやぁぁぁぁ!!」 「おきゃあしゃああああんなんでえええええ!?」 「おちびちゃん!!おちびちゃああああん!!!」 固まってぶるぶる震える赤ゆっくり共。 俺はそこで道具を持ち変え、バーナーを手にした。 一匹の赤まりさを手にとり、底面を上に持つ。 「ゆっ?はなちてにぇ!はなちてにぇ!!」 もぞもぞと抗う赤まりさの底面を炎が焼き焦がす。 「ゆぴいいいいいいいいいいいいいい!!!??」 笛吹きヤカンのような悲鳴が響き渡る。 「おちびちゃんんん!!」 「やめなさいいいい!!いたがってるでしょおおおおおお!?」 「くそじじいいいいいいますぐはなせええええええええ!!!」 低出力のバーナーで、ゆっくりと丹念に赤まりさの足は焼かれてゆく。 「びびびびびいいいいああああああぢゅいいいいいいいいいいぎぎぎぎぎぎぃいあぢゅああああおぢゃあしゃあああああああーーーーっああーーーーーーーっづづづづづづづうううううぐうううういやぢゃああああああぐぎいいいいいいいーーーーーー」 泡を吹き、悶え、痙攣する赤ゆっくりの底面は、 やがて真っ黒に焼け焦げた。 恐らくは中の餡子まで焦げ付いているだろうが、ともかく生きている。 それを床に置くと、泣く元気もなくぐったりとうなだれた。 「ゆわああぁぁ……あんよがあぁぁ……」 「おぢびぢゃんのがわいいあんよがあああ……」 俺に悪態をつくことさえ忘れ、 赤ゆっくり以上に涙を流し、壁面にへばりついて親れいむ共は嘆いている。 赤まりさの足がもはや用をなさないことは誰の目にも明らかだった。 固まっている残りの赤ゆっくり共は、あまりのことに硬直して、 ただ事のなりゆきを凝視していた。 次は赤れいむを手にとる。 「いやぢゃあああああああ!!!」 何をされるかを理解した赤れいむは、ここを先途と絶叫する。 「だじゅげぢぇええええおぎゃあじゃああああん!! でいぶあんよやぎゃれぢゃぎゅにゃいいいいいいいいいいい!!!」 「ごみぐずううううううううううう!!!」 「いばずぐばなぜええええええぐぞじじいいい!!」 「頭に来るな」 俺は答えてやった。 「ゴミクズだの糞奴隷だの、さんざんに言ってくれるな。 俺はすごく気分が悪い。頭に来てる」 「じるがああああ!!ごみぐずごみぐずごみぐずううう!!」 「だまれだまれだまれえええ!!じじいはざっざどがえじでじねえええ!!」 「頭に来るから、こいつも焼く」 そこで親れいむ共の様子が変わった。 罵倒を中止して黙り込み、赤れいむに近づけられるバーナーを見つめている 懇切丁寧に解説してやった甲斐があり、今の状況がようやく把握できたようだ。 「おにいさん!!やめてね!ゆっくりやめてね!!」 「ごめんなさい!!ごみくずっていってごめんなさい!!ね!!」 「もうやめてあげるからね!!おにいさんもやめてね!!」 「ゆばがぎゃああああああああああああ!!!」 「なんでえええええええええええ!!?」 赤れいむの底面が丹念に焼かれる間、親れいむ共は懇願し続けた。 「やめてくだざい!!やめでえええええええ」 「おでがいじばず!!おでがいじばず!!」 「おにいざあああああんもうばがにじまぜえええええええん!!」 「ゆっくりざぜであげてええええええええええ!!!」 「でいぶをやいでぐだざいいい!!おぢびぢゃんはだずげでえええ!!」 一人が身代わりを申し出たのを皮切りに、 親れいむ共全員が競うようにして自らを差し出した。 「でいぶをやいでえええ!!おでがいでずううううう!!」 「でいぶはどうなっでもいいでずううううううう!! おぢびぢゃんは!!おぢびぢゃんだげはああああああああ」 「どっでもゆっぐりじだあがぢゃんなんでずうううううう!! でいぶになら!!でいぶにならなにをじでもいいでずがら!!あがぢゃんだずげでええええ!!!」 ゆっくりの中でも、れいむ種は特別母性が強い。 自分の子供を溺愛することにかけては他の種とは比べものにならず、 今やっているように、拷問の身代りになることさえ厭わない。 やはり思ったとおりだ。 れいむ種にとって最大の苦痛は、子供を傷めつけられることなのだ。 方針は決まった。 続く
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1316.html
少し大きめの人形が背負っていた籠をひっくり返すと、中から小ぶりなゆっくりまりさがぼとぼとと落ちてきた。 生まれたばかりの個体であるため、まだ全体の半分ほどがゆっくりゆっくり夢の中。 そんなゆっくり達を覚醒させたのは、ぱんぱんという軽快な音。 優しそうな女の人の声が、最後まで眠りこけていたゆっくりを引き上げる。 「ゆー?」 「ゆゆ!」 「ゆっくり!」 「ゆっくり!」 「「「ゆっくりしていってね!!!」」」 目覚めたばかりだというのに、元気のいい大合唱。 女の人はにこにこしながら、赤ちゃんゆっくり達の数を数えていた。 「さあみんな、おはよう。生まれたばかりでお腹も空いているでしょう」 「ゆ!おなかすいたよおねえさん!」 百匹を越えるゆっくりたちの訴えに、女の人は笑顔で応えた。 「ほら、あそこを見て」 「ゆ!ごはん!ごはん!ゆっくりたべたい!」 女の人が指差した先には、おいしそうな食べ物がおいてあった。 さっそく走り出そうとしたゆっくりたちは、透明な壁に阻まれてそれ以上進む事ができない。 「焦らないの。そうね、ちょっとその前にゲームをしましょう?」 「げーむ?」 「そう。五匹ずつ、かけっこ。一番についた子はごはんをいっぱい食べさせてあげる」 「ゆゆ!たのしそう!やりたいやりたい!」 「そう?じゃあまずは、あなたと、あなたと、あなたたちね」 「ゆ!ゆっくりはしるよ!」 「ゆっくりいちばんとるよ!」 選ばれなかったゆっくり達からは不平不満が出たが、女の人は気にするそぶりもなく五匹を壁の向こう側へつれていった。 「じゃあ、よーい、ドン!」 ぴょんぴょんぴょん、いの一番にゴールしたゆっくりが嬉しそうに真っ赤なリンゴにかぶりつく。 負けじと駆けつけた二番のゆっくりも、いい匂いのする桃をぺろり。 少し遅れて三番のゆっくり。よく焼けたクッキーをばりばりと食べた。 四番目のゆっくりは、ちょっと硬いにんじんをほおばった。 「ゆ!ごはんがないよ!おねえさんゆっくりもってきてね!」 もたもたしていた五番目のゆっくりがゴールするころには、もともとそんなに多くなかった食べ物は四匹の腹に収められてしまっていた。 五番目のゆっくりが不満げに振り返ると、 「ゆ゛う゛う゛う゛ぅぅぅ!!」 目の前まで迫っていた人形の槍で、大きく開けた口をずぶり。 「な゛に゛ずる゛の゛お゛お゛おぉぉお!!!」 「ゆ゛っ゛ぐり゛や゛べでぇぇぇ!」 泣き喚くゆっくり達に、女の人は思い出したように、 「そうそう、一番足の遅い子には罰ゲームね」 楽しそうに言い放った。 「大丈夫よ。ドベにさえならなければいいんだから。簡単じゃない」 しばらく時間が経って、20体分の餡子を踏みつけながら女の人が言った。 「ふう、みんな終わったかな?おつかれさま。家の中にあなたたちのお部屋を用意してあるから、 そこでしばらくゆっくりするといいわ」 死に物狂いで走り抜けたゆっくりたちは、荒い息を隠そうともせずにずるずると人形に案内されていった。 涙と鼻水でべしゃべしゃになった顔を洗うことも許されず、80匹のゆっくりが四メートル四方の部屋に押し込まれる。 窓のないその部屋で、ゆっくり達は三日を過ごすことになる。 食事は一日一度、人形が溶けかけた野菜の切れ端や干からびて黒ずんだ肉を持ってくるだけ。 水も一日に二回、バケツに汲んだ水をぶっかけられるだけ。 ゆっくり達は何故自分たちがこんな仕打ちを受けなければならないのかわからなかった。 生まれて四日目、女の人がドアを開けた時には、力尽きたもの、喧嘩で押しつぶされたものがいくつかいた。 60匹に減ったゆっくりたちは、のそのそと人形に追い立てられるまま部屋の外へ。 「みんなおつかれさま。さあ、今日も楽しいゲームをしましょうね」 その言葉を聞いて「や゛だあ゛あ゛あ゛ぁぁ!」泣き叫ぶものと、ほぼ無反応なもの。 そして、ごく少数、澱んだ目を細めるものもいた。 「今日は、障害物競走で遊びましょう。ほら、ゴールにはおいしいごはんがあるから、がんばりましょう!」 女の人が指差した先には、とてもとてもおいしそうな果物や、野菜がおいてあった。 しかし、そこに至るまでのコースにはどうひいき目に見ても致命的なトラップが三つ、ゆっくりたちを待ち構えていた。 一匹のゆっくりは最初の平均台で足を滑らせ、煮え立つ油の中に落ちた。 また、狭い足場を踏み外して竹やりに串刺しにされたゆっくりもいた。 十分に体を平べったく出来ず、回転するノコギリに額を削られた。 それらを突破して、最後の直線にまでたどり着いて、ほっとした笑顔のまま落とし穴に落ちた。 何とか落とし穴を回避してゴールしても、グループの中で最下位だったため罰ゲーム。 中には小ずるいやつもいて、先をゆく仲間を踏み台にしてトラップを突破するものもいた。 人形を傍らに控えさせた女の人は、ゆっくりたちの悲鳴を聞きながら紅茶を楽しんでいた。 最後のグループは三匹のゆっくりがゴールした。 顔を歪ませながら落とし穴を抜けた四番目のゆっくりまりさは、仲間がうまそうに餌をむさぼっているのを見ながら人形の槍に貫かれた。 「ゆ゛ぎゅ゛う゛う゛ぅううう!!!」 先にゴールした20匹のゆっくりは、もはや興味がないとばかりに餌にがっついていた。 ゆっくりが刺さったままの槍を高々と掲げた人形は、冷たい表情のまま槍を振ってまだ痙攣しているゆっくりを捨てた。 ぱち、ぱち。女の人がにこにこ笑いながら、嬉しそうに拍手をしている。 20匹のうち16匹はなんの反応も示さなかったが、4匹のゆっくりは歪んだ笑顔で、楽しそうに 「ゆっくりしていってね!!!」 ぴょんと一度跳ねた。 それからまた一週間、ゆっくりたちはもといた部屋に閉じ込められた。 80匹ではかなり苦しかった室内も、20匹なら何とか生活スペースは確保できる。 それでも、力のないものや比較的体の小さいものは隅に追いやられていった。 弱いゆっくり達は一日に一度の腐りかけた食事さえ満足に口にできず、日に日に弱っていく。 ある日、空腹で死に掛けていたぼろぼろのゆっくりまりさに、別のゆっくりまりさが噛み付いた。 「ゆ゛う゛ぅ゛ぅ゛ぅぅ!!」 「ハァハァ……うめえ!めっちゃうんめえ!」 これまでの縄張り争いからくる攻撃ではなかった。血走った目で、同種をがつがつと貪り始めた。 狂気はあっという間に伝染し、部屋中を悲鳴と咀嚼音が満たした。 女の人がドアを開けたとき、生き残っていたのは5匹だった。 そのうち1匹は体中かじられて虫の息だったので、人形の槍で針鼠にされた。悲鳴はあがらなかった。 「さあ、最後のゲームをしましょう」 十分な餌を食わせた後、女の人が口を開いた。 四匹のゆっくりは、へらへらと笑っているものが二匹、濁った目で虚空を見つめるものが二匹。 「ゆっくりしていってねぇ」 媚びるような口調で、へらへら笑っているゆっくりまりさがいった。他の三匹も視線だけは女の人へ向ける。 「最後は簡単、鬼ごっこよ。今からあなたたちを森の中へ放します。逃げ切れたら、あなたたちの勝ち。 捕まったら罰ゲーム。今のあなたたちなら簡単よね?」 ゆっくりと食休みの時間をとり、四匹のゆっくりたちは柵が開かれるのを待った。 「じゃあ、よーい……」 へらへら笑う一匹が、無表情なまりさの前に体を寄せた。 「どん!」 人形が柵を開くと、四匹のゆっくりが弾かれたように走り出した。ついさっきまで無表情だったゆっくりも、生存本能は誰にも負けていない。 死に物狂いで走る無表情まりさ。しかし、5メートルほど走ったところで、前を走るへらへらまりさが急に反転した。 「ゆっくりしんでいってね!!!」 不意の衝撃。視界が揺れ、森の切れ目から青い空がみえた。 一度バウンドし、慌てて起き上がると、へらへらまりさが森の奥へ消えてゆくのが見えた。 ほぼ同時に、 「ゆ゛ぐっ!!!」 焼けた鉄を打ち込まれるような痛みが立て続けに走り、その意識はかき消えた。 四匹のゆっくりまりさが走り出して一時間が経った。 女の人、アリスは森の中を捜索する人形を呼び戻す。 「二匹、か」 人形の槍にぶら下がる二つの塊を見下ろして呟いた。 アリスは一度満足げに頷くと、人形を連れて家に帰っていった。 アリスが森の中へ逃げた二匹のゆっくりを見ることは、それきりなかった。 それから一ヶ月ほど経った。 朝起きたアリスは烏天狗の新聞の一面を見て、嬉しそうに目を細めた。 『ゆっくり、里の倉庫を集団で襲撃!』 『群れを統括する、ずる賢く逃げ足の速いゆっくりの存在!』 『ゆっくり愛護会、脱退者続出で存続の危機!』 「がんばっているようね、あの子たち」 ぽつりと呟いて、新聞を丸めた。 今日は「鬼ごっこ」の日だ。さて、今回は何匹の悪意にまみれたゆっくりが逃げ切るだろうか。 アリスは吊りあがる唇を一度なでて、ゆっくりの餌を作るため台所へと向かった。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/768.html
※人間は全オリジナル。 俺設定とかあるかもしれません。ご注意。 「にしからのぼったおひさまが、ひがし~にし~ず~む~」 俺は鼻歌を歌いながら帰路についている。 端から見ればアホにしか見えないだろう。 しかし、俺が良ければ全て良し。これでいいのだ。 「「ゆっくりしていってね!!!」」 出やがった。 説明するまでも無いだろうがこいつらは通称「ゆっくり」。喋るウザい饅頭である。 今、目の前にいるゆっくりは二匹。 れいむとまりさのセット。一番オーソドックスな組み合わせである。 「「ゆっくりしていってね!!!」」 俺はゆっくりは嫌いだ。でも虐めるのは好きだ。 最近は自分の家にホイホイ連れ込んだゆっくりを虐待するのが趣味となっている。 何せもう高三だ。ムシャクシャすることはいくらでもある。 だが単なるストレス発散としてではなく、己の欲を満たすためにやっているのだ。 こいつらをいたぶると最高の快感を得ることができる。 故に俺はこの世の全てのゆっくりは虐待され快感を満たすためだけに存在していると思っている。 そうでなければ、こんなクソッタレ共の存在を認められるか。 愛護派なんてのもいるらしいが、俺からすればそんなもんイカレポンチの集まりだ。 「「ゆっくりしていってね!!!」」 あれ。おかしいな。 いつもならこの辺で「おにいさんはゆっくりできるひと?」「ゆっくりできるならまりさたちにたべものをちょうだいね!!!」 とか言ってきそうなものである。 だがこいつらは遭遇してからずっと「ゆっくりしていってね!!!」としか言わない。 どうなってるんだ。 だか、ちょっと考えてみればその答えはすぐにわかった。 こいつらはいわゆる「スタンダード型」…ただ純粋にゆっくりして欲しいだけの奴らなのだ。 今時は横柄かつ図々しい口調のゆっくりばかりだ。俗に言う「ゆっくりずむ」である。 最近はそういったクソみたいな連中しかいないと思っていたのだが、そうでもなかったらしい。 おそらく、今まで人里に降りておらず、ゆっくりした結果がこれなのだろう。 「「ゆっくりしていってね!!!」」 …だがいくらゆっくりずむ宣言をしていないとは言え憎たらしいツラは変わりない。 おまけに「ゆっくり~」連呼されるのも普通にウザい。 普通の(ゆっくりずむ)ゆっくりならこの場で簡易虐待するのだが、こいつらはまぁ「ウザい」だけなので 一発ずつ蹴りを入れてやるだけにしておく。 「ゆぶぅっ!!!」 「ゆべぇっ!!!」 放物線を描きながら近くの草むらまで飛んでいくゆっくり共。 その様子をみた俺は再び鼻歌を歌いながら帰路についた。 「「ゆっ、ゆっくりしていってよー!!!」」 後ろからそんな声がしたような気がしたが別にそんなことはなかったぜ! 「やなぎのえだ~にねこがいる だから~ねこやなぎ~」 ゆっくりを蹴っ飛ばしてちょっぴりすっきり気分の俺は河原を通りかかった。 よく子供達が野球をしたりサッカーをしたりミントンしたりモンハンごっこをやってる場所だ。 しかしもう夕暮れ時、遊んでいる子供達はいない。代わりにいたのは… 「ゆっくりできないめーりんはしね!!!」 「ゆっへっへ!!!くずめーりんはこのまりささまのさいきょうでんせつのいしずえとなるがいいんだぜ!!!」 「むきゅ!ことばもはなせないていれつしゅのくせになまいきよ!ぱちぇみずからがいんどうをわたしてくれるわ!」 めーりんがれいむ、まりさ、ぱちゅりーの三匹にリンチされている。最近はよくある光景だ。 めーりん種は面の皮が厚いらしく、他のゆっくりより頑丈だが言葉を喋ることができない。 故に他のゆっくり共から忌み嫌われている。ゆっくりはどうも異端の存在を受け入れられない性質があるらしい。 このまりさ種はゆっくりずむに磨きがかかった通称「だぜまりさ」。 その名の通り語尾に「だぜ」が付き、悪行の限りを尽くしている。増長した結果がこれである。 紫の貧弱もやしはぱちゅりー。生まれたときから病持ちという呪われた運命の持ち主である。 エクスクラメーションマークの数も少ない。 頭は「ゆっくりの中では」いい方である。普段はその貧弱体質故争いを好まないのだが リンチに参加している理由は大方無抵抗の相手をいたぶることで優越感に浸りたいといったところだろう。 饅頭風情の思考なんてそんなものだ。 「こらこら君達やめたまえ」 「「「ゆっ!?おにいさんだれ???」」」 とりあえず声をかける。ゆっくりを見ると放っておけないのだ。 「おにいさんはゆっくりできるひと???」 「ゆっへっへ!!!まりさたちとゆっくりしたいならたべものをけんじょうするんだぜ!!!」 「むきゅ!ぱちぇたちはいまめーりんをせいさいしてるところなの!じゃましないでちょうだい!」 「いやいや君達ー。弱い者いじめはよくないよー。めーりんがかわいそうじゃないかー(棒)」 「ゆ???おにいさんばかなの???しぬの???」 「ゆっへっへ!!!なにいってるんだぜ!!!めーりんはいじめられてとうぜんなんだぜ!!!」 「むきゅ!そのとおりよ!ことばがしゃべれないゆっくりなんてそんざいするかちがないのよ! だからきっちりせいさいしてるの!そんなこともわからないおばかさんはとっとといなくなってね!」 …これが「今時」のゆっくりの反応である。やはりこうでなければ面白味がない。 「ばかなおにいさんはさっさとどっかいってね!!!」 「こんかいはみのがしてやるからとっととしっぽまいてかえるがいいんだぜ!!!」 「むきゅ!…ごほごほ。ばかとおしゃべりするとばかがうつちゃうわ!はやくここからきえなさい!…けほけほ」 「おや?ぱちゅりー、何だか苦しそうだねぇ?(棒)」 「ぱちゅりーはうまれつきからだがわるいんだよ!!!そんなこともしらないの???」 「ゆへへ!!!だめだぜ!!!れいむ!!!おにいさんはばかだからこんなだれでもしってることをしらないんだぜ!!! これだからいなかものはこまるんだぜ!!!」 「やだなぁ。それくらいちゃんと知ってるよ。病気に効くお薬もちゃんと持ってるしね(棒)」 「ゆ!!!ほんとうなの!!!じゃあはやくそれをちょうだいね!!!」 「ゆっへっへ!!!なんだったらちからずくでうばいとってやってもいいんだぜ!!!」 「はっはっは、怖いなあ。(激棒)そんなことしなくてもちゃんとあげるよ。ちょっと待ってな」 そう言って俺は鞄の中からスプレーを取り出す。 M●THERにも喘息発作用のスプレーがあるしね。…まぁ当然コレはそうじゃないのだが。 「ゆ?なにそれ?ゆっくりできるもの??」 話聞いてなかったのかこいつは。まぁ饅頭にはよくあることだし、あながち間違ってはいないのでスルー。 「病気の治る魔法のスプレーさ。(棒)ほれぱちゅりー、こっち向いてー」 「むきゅ…これでいいかしら?」 さっきまで俺を散々罵倒してたクセに病気に効くとわかるや否やこの変わり身。これが俗に言う「餡子脳」である。 「んじゃ行くぜー」 プシューと音を立てスプレーをぱちゅりーのマヌケ面に吹きかける。 次の瞬間。 「むぎゅううううう!!!…げぼっ!!!ごぼぉっ!!!な゛に゛ごれ゛え゛え゛え゛え゛え゛!?!ぐぼぉお゛お゛お゛っ!!!」 ぱちゅりーはさっきよりも明らかに酷い咳をし始め、その目は涙が溢れ血(餡子?)走っており、口からは泡と共に大量の餡子がはき出されている。 一言で言えば「かなり酷い状態」である。 「ぱぢぇえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!!!!」 「あ゛ん゛ごだじぢゃ゛だめ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!!!!」 気になるの餡子だけかよ。まぁゆっくりの命みたいなもんだし当然のリアクションか。 「げぼっ!!!ごぼっ!!!がぼっ!!!おぼお゛ぉぉぉお゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!!!!」 おびただしい量の涙と泡と餡子が排出され続けている。このままでは数分後に確実にお陀仏だろう。 俺はその様子をヘラヘラしながら見つめている。 「ゆっ!!!お゛じざん゛のぜい゛でばぢぇ゛がゆ゛っぐり゛でぎな゛い゛よ゛!!! う゛ぞづぎの゛お゛じざん゛ばゆ゛っぐり゛、じね゛!!!」 おいおいおじさんに格下げかよ。 「ゆっ!!!う゛ぞづぎのお゛じざん゛め゛っ!!!ばぢぇ゛の゛がだぎだ!!!じね゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」 まりさの中ではぱちゅりーはもう死んだことになってるらしい。餡子吐いてるとはいえまだ死んでないぞ。まだ。 そんなことを考えているうちにまりさが俺に体当たりをしてきた。 しかしそんなもの効くはずがない。 「まりさ!!!がんばってね!!!てきはひるんでるよ!!!」 呆けてるだけだ。怯んでるわけではない。 「ゆっへっへ!!!とうぜんだぜ!!!いままでまりささまのたいあたりにたえられたやつはいまだかつてひとりもいないんだぜ!!!」 どうせ戦績は0戦0敗なのだろう。 まりさはもう一発俺に体当たりを仕掛けてきたが、軽く平手で払ってやる。 ぺちん。 「ゆ゛べっ゛!!?」 「ばり゛ざあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 軽くやったつもりなんだが… まりさは餡子を吹き出しながらのたうち回っている。 れいむはそれを見てただただ絶叫するのみ。 「むぎゅ…げぼ…ごぼ…はぁ…はぁ…」 そんなこんなのうちにぱちゅりーの調子が良くなってきたらしい。死ぬかと思ったのに割としぶといな。 …まぁ死にかけなのは変わらないか。 「むぎゅ…むきゅっ…」 …それにしてもほんとぱちゅりー種の「むきゅ」って鳴き声はウザいな。 聞いてるだけで虫唾が走る。せっかくなのでもう二度と聞けないようにしてやろうか。 鬱陶しいまりさはのたうち回り、れいむはそれを見て叫んでいるだけだ。今ならやりやすいだろう。 俺はぱちゅりーの口をこじ開けスプレーを思いっきり吹き付ける。 「む゛…ぎゃっ…ばあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛があ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!」 「ぱぢぇえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!!!!」 ぱちゅりーの断末魔を聞きつけれいむがこちらに向かってまた絶叫。まりさはまだのたうち回っている。 「お゛げっ…ぶげっ…あ゛があ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛…ばあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛…う゛げあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!」 「ばぢぇっ!!!ばぢぇえ゛え゛っ!!!ゆ゛っぐりじでっ!!!ゆ゛っぐりじでいっでねぇえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!!!!」 ぱちゅりーはさっきの比ではない量の餡子や体液を撒き散らしている。口の中にダイレクトにブチ込まれたからだろう。 それを見て絶叫してるだけのれいむも負けず劣らずの量の涙とよだれをブチ撒けている。サイコーだ。 二匹のゆっくりが奏でる絶叫と断末魔の二重奏。それが俺にこれ以上ない開館を与えてくれる。 「ぷっ…ハァーッハッハッハッハッハッハ!!!こいつは傑作だ!!!チョー面白え!!!もっともっと苦しんで死ね!!!」 おっとついに笑いをこらえきれず吹き出しちゃったよ。 どう見ても外道の吐くセリフだがそれはゆっくりに対してだけだ。それ以外の時は善良な少年として通っている。 昨日も風邪を引いて寝込んでいた隣の家の女の子を看病してあげたほどだ。 「な゛ん゛でぞん゛な゛ごどい゛う゛の゛ぉ゛ぉ゛ぉぉぉぉぉ!!?」 汚らしいツラをしてこっちを睨むれいむ。こっちみんな 「なんでって面白いからに決まってんだろ!!!こんなに楽しいショー他じゃ見られないぜ!!!」 「ぞん゛なごどい゛う゛じじい゛ばゆ゛っぐり゛じな゛い゛でじね゛!!!い゛ま゛ずぐじね゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!!!!」 無謀にも俺に体当たりを仕掛けるれいむ。さっきまりさが返り討ちにあったことを忘れたらしい。俗に言う「餡k(ry 「うあーやられたー(超棒)」 …今回はわざとやられたフリをしてみる。実際はノーダメージだっつーの!! 「ゆっ!!!やったよ!!!ぱちぇ!!!わるいじじいはやっつけたよ!!!ゆっくりしていってね!!!」 泣きっツラから勝ち誇った腹立だしい表情に変わったれいむ。喜び勇んでぱちゅりーの元へ駆け寄る。 が、時すでに遅し。 ほぼ全ての餡子を出し切り、ぱちゅりーは皮だけとなり死んでいた。 その表情は絶望と苦痛に染まっている。いいねー。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!!!!ばぢぇがっ!!!!!!ばぢぇがじん゛じゃっだぁぁあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!! どう゛じでっ!!!!!!わ゛る゛い゛じじい゛ばや゛っづげだの゛に゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!!!!」 脱水で死ぬんじゃねーかって量の体液をブチ撒けまくるれいむ。 つーか俺をやっつけたらぱちゅりーが元に戻ると思ってたのかよ。餡子脳は未だに理解できない部分が多いって近所の虐待兄貴が言ってたな。 「ゆっ…でもばぢぇをごろじだじじいはやっづげだよ!!!おぞらのう゛えで、ゆっぐりじでね、ばぢぇ…」 仲間は助からなかったものの、仇を討ててご満悦のれいむ。そろそろいいだろう。 とりあえずやられたフリをやめ起きあがることにする。 「な゛、な゛ん゛でい゛ぎでる゛の゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!!!!」 その瞬間本日何度目かわからない絶叫をするれいむ。 「なんでって、あんな攻撃効くわけないじゃん。さっきまりさがやられたの忘れたのか?」 「な゛に゛い゛っでる゛の゛!!!ばり゛ざがま゛げる゛わ゛げな゛い゛でじょお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!!!!」 やはり忘れていたか。 「じゃあちょっとあっち見てみ」 俺はまりさのいる方を指差す。まりさは未だにのたうち回っていた。どんだけ弱いんだあいつは。 「ま゛り゛ざあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!どうじでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!!!!」 まりさの方に駆け寄るれいむ。 「ゆっ…も、もうだいじょうぶだぜ、れいむ!!!しんぱいかけてごめんねだぜ!!!」 「まりざっ、よがっだ、よがっだよお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!!!!」 随分遅い復活でしたね。 そしてれいむの頭の中からはぱちゅりーのことなどとっくに消えてしまっているようだ。俗に(ry 「ゆっへっへ!!!さっきはわざとくらってやったんだぜ!!!にんげんのこうげきなんて、へでもないぜ!!!」 ゆべっとか言って吹っ飛んで数分のたうち回った上に今も片目涙目で頬に綺麗な手形の出来ている奴が言っても全く説得力が無い。 「とくべつにまりさのほんきをみせてやるんだぜ!!!しんでこうかいするんじゃないんだぜ!!!」 そう言って体をひしゃげるまりさ。力を溜めているつもりだろうか。 ここが俺ん家ならじっくり時間をかけて虐待してやるのだが、ここは屋外だ。人目もあるし道具も用意していない。 何よりそろそろ家に帰りたいからだ。見たいTVがあるんだよ。 「くらうんだぜ!!!まりさのほんきあたーっく!!!」 ネーミングセンスがどうとかいう次元ではない。 俺はまりさが飛んでくる方へ軽く拳を突き出す。 「ゆ゛ばべら゛ぁっ!!!???」 まりさの体が右半分が弾け飛んだ。残った左半分は絶望の表情で地面にべしゃりと落ちた。 俺はほとんど力を加えていない。突っ込んできたまりさが勝手に自爆したようなものだ。 「ばり゛ざあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!」 やはり絶叫するれいむ。しかし何度聞いても飽きない。 数あるゆっくりの中でもれいむの絶叫が一番素晴らしいと近所の虐待兄貴も同意してくれた。 さて、左半分だけとなったまりさはと言うと。 「い゛だい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!!!!な゛ん゛でえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!!!!む゛でぎの゛ばり゛ざざばがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!」 「教えてやろうか、お前、弱いんだよ」 「ゆ゛っ!!?ばり゛ざさ゛ばばよ゛ばく゛だい゛ん゛だぜえ゛え゛え゛え゛!!!!!!」 「さっき軽くはたいただけでスゲー痛がってたじゃん」 「ゆ゛ぶぶっ!?!?!?」 …どうやら覚えていたらしい。驚きだ。少なくともれいむよりは多少マシな脳を持っているようだ。 「わかったか?お前は弱いの。俺がちょっと突いただけでバラバラになっちゃったしな。 だからなんにもしてこないめーりんいじめしかできないんだなwww」 「ぢ…がう゛…ん゛だぜ!!!ばり゛ざば…よ゛ばぐな゛い゛…よ゛ぐな゛い゛ん゛だぜえ゛え゛え゛え゛え゛!!!」 やたら自分の強さにこだわる奴だな。どんな生活してきたんだ。 そうだ、いいことを思いついた。こいつに最高の絶望を味わわせる方法を… 「めーりん、こっち来い」 俺はいじめられていためーりんを呼んだ。 あれからずっとめーりんはいじめていた三匹が俺に虐待されている様を見ていた。 が、「自分は助けられている」という状況判断は出来たらしく、 ゆっくりを虐待していたにも関わらず俺の呼びかけに素直に応じた。 「勝負だ!めーりん!どっからでもかかって来い!」 俺はめーりんに勝負を持ちかける。 それを聞いためーりんは戸惑っている。まぁ当然だろう。 「ゆ゛べっ!!!ぐず…べーり゛ん゛が…がでる゛ば…げだい゛ん゛だぜ…」 この期に及んでめーりんを罵るまりさ。だが今はそれでいい。 「どしたどしたー?来ないんならこっちから行くぞー!」 そう言って俺はめーりんにチョップを食らわす。 …と言っても軽くめーりんの額に当てただけだ。ダメージなどあるはずがない。 「うぎゃあああああああ!!!!!痛ぇ!!!!!超痛ぇええええええ!!!!!」 俺はそう叫びながら先程のまりさと同じくのたうち回る。言うまでもないが演技である。 「ど、どぼじでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!!!!」 まりさは理解できなかった。 自分をバラバラにした人間が、めーりんにやられてしまった。 自分は、くずめーりんにやられた人間にやられてしまったのか? にんげんは、まりさよりつよい。くずめーりんは、にんげんよりつよい。 まりさよりつよいにんげんをやっつけたくずめーりんは、まりさより つ よ い ? ? ? ま り さ は く ず め ー り ん よ り よ わ い ? ? ? ま り さ は く ず よ り も も っ と く ず ? ? ? 「ばびぶべぼお゛お゛お゛っ!!!!!!ばびぶべぼお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!!!!」 まりさの残った片目は白目を剥き、この世のものとは思えない形相で発狂した。 俺がめーりんにやられたフリをしたことで、まりさのガラスのプライドは砕け散ってしまったのだ。 俺はのたうち回るのをやめ、転がった状態でまりさに語りかける。 「わかるか…まりさ…俺はめーりんに負けた…お前はそのめーりんに負けたクズ以下の俺に負けたんだ…」 自分のことをクズと言うのはイヤだったが、追い打ちをかける。 「お前は クズ以下の以下の 存在する価値のないゴミクズだ。」 「ふんじゃらhf8うえghvsばvsじゃヴぁjhvばhscあwせdrftgyふじこlp;@」 あーあ壊れちゃった。ちょっとやりすぎちゃったかなー? こうなるともうおしまいなのでそろそろトドメを刺すことにする。 俺はぱちゅりーを死に至らしめたあのスプレーを手に取り、まりさに吹き付ける。 「ゆ゛…う゛あ゛ぎゃばあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!」 なんとまりさは正気(?)に戻ったではないか。 断末魔を上げ、さっきのぱちゅりーと同じ状態になっている。…が、体が半分無くなっているので餡子の残量が少ないからすぐ死ぬだろう。 地獄の苦痛の中で。 「あ゛がっ!!!ぎゃばっ!!!ゆぐお゛あ゛お゛あ゛お゛あ゛お゛あ゛お゛」 …説明が大分遅れてしまったが、 まりさとぱちゅりーに吹きかけたこのスプレーの正体は、殺虫剤である。 鬱陶しい虫に吹きかけて殺したり、虫野郎がパシリを使い捨てる時に使うアレだ。 この虐殺方法はつい最近思いついたものだ。 健康なゆっくりは殺すのには数回吹きかけなければならないが、貧弱紫もやしや体の欠けた奴には効きが早いようだ。 何でゆっくりに殺虫剤が効くのかは謎だが、人体にも悪影響があるし、何よりこいつらは虫以下のクズだから効くんだろうと勝手に解釈することにした。 この方法のいいところは、最後までゆっくりが絶望と苦痛に染まったまま死に至らしめることにある。 「う゛……げば…あ゛ば…が…」 まりさは死んだ。その表情は先程のぱちゅりーと似た絶望の表情である。 これだからゆっくり虐待はやめられない。 続く このSSに感想を付ける 選択肢 投票 しあわせー! (171) それなりー (13) つぎにきたいするよ! (12) 名前 コメント すべてのコメントを見る いいですねぇ -- (名無しさん) 2020-04-22 22 34 26 good -- (Shosi) 2014-07-13 02 02 04 名前 コメント すべてのコメントを見る いいですねぇ -- (名無しさん) 2020-04-22 22 34 26 good -- (Shosi) 2014-07-13 02 02 04
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1214.html
「ゆっくり手品」 一週間ぶりに外に出ると、あまりの暑さに逆に清々しい気分になった。 頭がおかしくなる前兆なのか、それともそれとは別の意味でヤバイのか… どちらかわからないが、ずっと家に篭っているわけにもいかないので里に出て買い物を済ませることにした。 眩しい日差しに目を細めながら歩いていると、あるものが目についた。 店頭に並んでいるのは、真っ黒な箱が5つ。これだけでは一体何に使うのかわからない。 横のプレートに書いてある説明を読むと…どうやらこれで手品をするらしい。 どんな手品が出来るのか、値段はいくらなのか、そんなことが書いてあった。 …ふむふむ、なるほど、把握した。 面白いことを思いついたので、購入を即決。他の買い物も済ませて帰路についた。 荷物を家の中に置いて、僕は籠を担いで再び外に出る。 先ほどの黒い箱をつかった手品…僕なりにアレンジした手品には、ゆっくりの親子が必要だ。 それも、子供が5匹以上いる事が望ましい。 しばらく草原を歩いていると、木陰で昼寝しているゆっくり一家を発見した。 両親であるれいむとまりさ。そして生まれてから2週間程度と思われる赤ちゃんのれいむとまりさが5匹ずつ。 合計12匹の家族だ。僕の手品には最適のゆっくり一家だ。早速連れて帰ることにしよう。 背負っていた籠を静かに下ろすと、未だ眠っているゆっくり一家を一匹ずつ籠に収めていく。 もちろん起こさないように注意深く、だ。起こしてしまったとしても、逃げられる前に籠に投げ込めば済む話なのだが。 そういった具合に12匹全員を捕獲し終え、蓋をして開かないように紐で結んで固定する。 もうここまでくれば、こいつらを起こさないように、などと遠慮する必要はない。 ウキウキ気分の僕はスキップしながら家路を急ぐ。 「ゆ!?ここはどこ!?まっくらでゆっくりできないよ!!」 これだけの衝撃を与えれば、鈍感なゆっくりでもさすがに目を覚ます。 自分の置かれた状況を把握できていない12匹のゆっくりは、口々に不安を漏らした。 「どうしてまっくらなの!!?」「ゆっくちできないよぉ!!」 「ここからだして!!おうちかえる!!」 そんな悲鳴に心を躍らせながら、僕は籠をもっと揺らしてやった。 家に着くと、僕は籠の蓋を開けて蹴り倒した。 籠の口から流れ出るように、12匹のゆっくり一家が飛び出してくる。 「ゆぎゅ!?ここはどこ?ゆっくりできるばしょ?」 「ゆ!おにーさん!!こんなところにとじこめたのはおにーさんだね!!」 「そんなことするおにーさんとはゆっくりできないよ!!」 どうやら僕が真っ暗な籠の中に閉じ込めたってことは把握しているらしい。 ゆっくりにしては、それなりに知能はあるようだ。 「へぇー…君達はゆっくりできないんだぁ…ダメだね!お兄さんは君達よりずぅーっとゆっくりできてるよ!」 この言葉に真っ先に反応したのは、母まりさだった。どうやら負けず嫌いな性格らしい。 それを見た他のゆっくりも、抗議の声を上げる。 「ゆ!!そんなことないよ!!まりさのほうがゆっくりできてるよ!!」 「そうだよ!!れいむたちのほうがゆっくちできゆよ!!」 「あ、そう。それじゃさっきの真っ暗なところでもゆっくり出来たでしょ?」 「むゆ!?ゆ…そ、そうだよ!!ゆっくりできてたよ!!」 そして、嘘をつくのが下手らしいこともわかった。 「ふーん、それじゃあもう一度このゆっくり出来る籠の中に入るかい?」 「ゆっ!!やだよ!!はいりたくないよ!!」 「どうして?君はとてもゆっくり出来るものだから、ここでもゆっくり出来るんだろう?ほら、入りなよ!」 「ゆぎゅぎゅ……!!」 下唇を噛みながら唸っている親まりさ。悔しそうに顔を真っ赤にしている。 このまま放っておくと中の餡子が爆発しそうなので、話題を変えることにしよう。 「ま、そんなことはどうでもいいんだけどさ」 僕は籠を退けて、ゆっくり一家の目の前に先ほどの真っ黒な5つの箱を並べた。 ツヤのある材質でできているそれは、妖しく光を反射している。 「ゆ?これはなあに?ゆっくりできるもの?」 「それよりおなかすいたよ!!おにーさん!!はやくごはんをもってきてね!!」 「ゆっきゅりおなかすいたよ!!」「ゆっくちおなかすいた!!」 「あかちゃんたちにもごはんをあげてね!!そしたらおにーさんもゆっくりさせてあげるよ!!」 素人ならここでブチ切れて、怒りのままにブチ撒けるのだろうが…僕はニコニコしながら黒い箱を叩いた。 「ま、君達みたいな出来の悪いゆっくりには、“手品”を見ながらゆっくりするなんてできないんだろうなぁ」 “手品”という耳慣れない言葉に逸早く反応したのは、母れいむだった。 「ゆゆ゛!!れいむたちはとてもゆっくりできるよ!!だからさっさとてじなをみせてね!!」 「ゆっくちみせてね!!」「まりさもみたいよ!!」 「いいよ、きっと皆ビックリするに違いないよ」 「びっくりしないよ!!れいむたちはずっとゆっくりしてるよ!!」 「まりさたちはとてもゆっくりしてるよ!!だからびっくりしないんだよ!!ゆっくりりかいしてね!!」 どうやらこいつらにとって、『びっくり』は『ゆっくり』に反するものらしい。 それはともかく、手品を実行する前準備は整ったので、本準備に取り掛かることにする。 「よし、じゃあ見せてあげよう!準備をするから、黒い帽子をかぶった小さい子はこっちに来てね!」 「ゆ!!ゆっくりいくよ!!」「ゆっきゅりてじな!!」 赤ちゃんまりさを呼び寄せようとすると、当然と言うべきか、両親から抗議の声が上がった。 「あかちゃんたちをどこにつれていくの!?ゆっくりつれてかないでね!!」 「あかちゃんたちにひどいことするきだね!!そんなわるいおにーさんとはゆっくりできないよ!!」 うーん、なかなかの知能だな。ま、所詮ゆっくりだからうまく言いくるめれば問題はない。 「あれぇ、そういうこと言って手品の邪魔をするってことは…君達はやっぱりゆっくり出来ない子なのかな!?」 「ゆぎゅ…ゆ、ゆっくりできるよ!!ばかにしないでね!!」 「だかられいむたちのあかちゃんをさっさとつれていってね!!」 ご両親の承諾を得たので、めでたく5匹の赤ちゃんまりさを確保。 そのうち、一匹は…両親のもとに返してあげる。 「ゆ!れいみゅもじゅんびしゅるよ!!ゆっくりつれていってね!!」 「君はいいんだよ。お兄さんは準備するから、君はお母さん達とゆっくり待っててね!」 「みゅ!わかったよ!!ゆっくりまってるね!!」 僕は残りの4匹を別の部屋に連れて行く。 さぁ…これから、死ぬほどビックリさせてやるぞ。 「さぁ集まって集まって!!手品を始めるよー!!」 「ゆー!!」「てじなてじな!!」「ゆっくりてじなをみせてね!!」 餓鬼を集めて紙芝居をするおじさんのように、僕はゆっくり一家を箱の前に集合させた。 横一列に並んだ黒い5つの箱とは別に、皿の上に乗った4つの饅頭と空の皿一枚を用意して、同様に横一列に並べる。 「さっきのあかちゃんたちはどこにいったの?ゆっくりせつめいしてね!!」 「あの子たちには別の手品の準備を手伝ってもらってるよ。邪魔しないであげてね」 「ゆ!!ゆっくりりかいしたよ!!」 母まりさは、未だ警戒心を解いていないのか…事あるごとに子供の安全を確認している。 だが、口先での安全確認などはっきり言って無意味だ。これからそれを理解させてあげよう。 「さて、さっきの黒い帽子の子、ちょっとこっちに来てくれるかな」 「ゆ!まりしゃもてつだうの?」 「そうだよ。とりあえず、このお皿の上に乗ってね」 ぴょんぴょんと、嬉しそうに跳ねて赤ちゃんまりさは皿の上に乗った。 それを確認して、僕は一家の注目を促す。 「それじゃあ説明するよ!これから4個の饅頭とこの赤ちゃんを黒い箱の中に隠します。 そして、箱の並び順をどんどん入れ替えていきます。 最後にお母さんまりさに、赤ちゃんがどの箱に入ってるか当ててもらいます。 赤ちゃんが入った箱を当てられたら、みんなの勝ちです。ゆっくり理解したかな?」 「ゆ!!わかったよ!!おかーさんにまかせてね!!」 「おかーしゃんがんばりぇ!!」「まりさ!!がんばってあかちゃんをみつけてね!!」 やる気になってもらったところで、僕は黒い箱に饅頭と赤ちゃんまりさを収め始めた。 「中は暗いけど、少しの間我慢してね」 「がまんしゅるよ!!まりしゃはつよいこだもん!!」 そんな声も箱の中へ消え、準備は整った。 今、赤ちゃんまりさは5つの黒い箱のうち、真ん中の箱に入っている。 「ゆ!あかちゃんはまんなかのはこにいるね!!」 「そうだね。それじゃあ箱の位置を入れ替えるから、しっかり見ててね。まずは練習だから、簡単にしてあげるよ」 僕は箱の位置をシャッフルし始めた。もちろん、ゆっくりの動体視力で追いつける速さである。 僕自身も赤ちゃんまりさの位置を把握しながら、十数回箱の位置を入れ替えて… 「はい!それじゃあお母さんまりさは、赤ちゃんがどの箱に隠れてるか当ててね」 「ゆゆ!!あかちゃんはこのはこのなかにいるよ!!」 母まりさは迷わず、僕から見て右から二番目の箱に飛びついた。 箱の蓋を開けると……その中には、赤ちゃんまりさが入っていた。 「おお、すごいね!当たりだよ!」 赤ちゃんまりさは箱から解放されるや否や、母まりさに飛びついて頬ずりする。 母まりさもそれに応えるように身体を動かしている。愛情の証なのだろうか。気持ち悪い。 「えっへん!!こんなのかんたんだよ!!もっとむずかしくてもだいじょうぶだよ!!」 「まりさすごい!!さすがれいむのゆっくりぱーとなーだね!!」 「おかーしゃんすごい!!」「おかーさんしゅごい!!」 だが、これだけでは手品とは言えない。これから…本物の手品を見せてやることにしよう。 「練習は終わりにしよう。これから本番を始めるから、赤ちゃんまりさはもう一度箱の中に入ってね」 「ゆ!またおかーしゃんがゆっくりみつけてくれゆよ!!」 自分の母を信頼しきっている赤ちゃんまりさ。 残念ながら、これから君が無事に助かるかどうかは…完全に運次第なんだよ。 「まりさはもっと難しいのがいいか…わかったよ、じゃあこうしよう」 饅頭と赤ちゃんまりさを箱に収め終えた僕は、5つの箱を隠すように黒い敷居を立てた。 その動作を見た瞬間、母まりさの顔から自信が失われていくのが手に取るようにわかった。 「こうすると箱を入れ替える動きが見えないから、すごく難しいね」 「こんなのむずかしすぎるよ!!おにーさん!!ゆっくりそのくろいのをどけてね!!」 「あれぇ?まりさは難しくても大丈夫なんじゃないの?やっぱりさっきみたいに、すっっっっごく簡単なほうがいいの?」 「ゆぐ!!そんなことないよ!!まりさはむずかしくてもだいじょうぶだよ!!」 「そうだよねぇ。だったらこの黒い板を退けなくても大丈夫だよね!」 相当プライドの高いやつだな、こいつは。 そのおかげで交渉がスムーズに進むので、とても助かる。 「わかったらさっさとはじめてね!!まりさがかんたんにあててあげるよ!!」 「おかーしゃんがんばれぇ!!」「おかーさんがんばっちぇ!!」 「始める前にもうひとつ、手品を面白くするために…」 僕はフライパンと携帯用のガスコンロを用意して、一家の目の前に置く。 「まりさがもし赤ちゃんを見つける事が出来たら、それ以外はただの饅頭ってことかな?」 「そうだよ!!あたりまえでしょ!!かんがえなくてもわかるよ!!」 「だったら、僕はまりさが選んだ箱以外の箱に入ってるものを、このフライパンで焼くことにするよ。 美味しい焼き饅頭を作ろう。完成したら皆に食べさせてあげる。 でも、もしまりさが間違えたら……赤ちゃんがフライパンで焼かれることになっちゃうんだけどね」 僕の物騒な発言に、一家の顔が一瞬で青ざめた。 「ゆ!そんなことしないでね!!あかちゃんがかわいそうだよ!!」「ゆっきゅりやめてね!!」 「そうだよねぇ。かわいそうだよねぇ。だから、まりさがちゃんと赤ちゃんが入ってる箱を当てればいいんだ。 そうすれば赤ちゃんは焼かれずに済む…簡単なことだよね、まりさ?」 「ゆゆ…か、かんたんだよ!!まりさにかかれば、こんなのかんたんにあてられるよ!! まりさはあかちゃんのいばしょをあてるから、ほかのまんじゅうはやいちゃってもいいよ!!」 まったく根拠のない自信である。 子供の命より自分の意地を優先するようでは…母親として失格だぞ? 「わかった。じゃあ始めるから…ちょっと待っててね」 僕は箱を適当にシャッフルする。 「ゆむむ…!」 「ゆゆ…おかーしゃんがんばれ!!」 「まりさ!!あかちゃんをたすけてあげてね!!」 透視するつもりなのか、黒い敷居を穴が開くほど見つめている母まりさ。そんなことをしても無駄だというのに… 箱をシャッフルした後、もうひとつある動作を加えて…僕は敷居を取り除いた。 「はい!今度は難しいよ!赤ちゃんがどの箱の中にいるか…ゆっくり当ててね! 正解しないと赤ちゃんが焼かれちゃうから、絶対に当てないとね!」 ここからが本番である。さぁゆっくりども…“死ぬほど”びっくりさせてやるから、覚悟しておけ。 「ゆぐぐ…どこにいるの?あかちゃんはどこにいるの!?」 先ほどと違って、僕以外は箱がシャッフルされる様子を見ていない。これだ、と確信を持って箱を指し示すことなど不可能だ。 さらに、もし間違えれば赤ちゃんが焼かれる、というペナルティ付。赤ちゃんの命が懸かっている。 適当に選んで、ハイ間違いでしたー、では済まされないのだ。 「ゆっぐりぃ!!あかちゃんどこお゛お゛お゛ぉぉぉ!?わからないよおお゛お゛ぉぉぉ!!……ゆゆ?」 完全な運任せ…と思いきや、何かを思いついた母まりさは大声で叫んだ。 「はこのなかのあかちゃん!!おかーさんのこえがきこえたら、おもいっきりはねてね!!」 すると… ガタッ 僕から見て一番右の箱が、一瞬だが振動した。 その一瞬を、母まりさは見逃さなかった。迷わずその箱に飛びついて、ケラケラ笑いながら宣言する。 「げらげら!!まりさのかちだね!!こうすればぜったいにあかちゃんのばしょがわかるよ!!」 「なるほどぉ…その手で来たか、まいったなぁ」 「これであかちゃんはやかれずにすむね!!ゆっくりしないであかちゃんをだしてあげてね!!」 「はいはい、今出すよ…」 僕は母まりさが選んだ箱の中から赤ちゃんまりさを取り出すと、母まりさのほうへ放ってやった。 子供の命を救うことに成功した母まりさは、いつも以上に赤ちゃんまりさに頬ずりして愛情を表現する。 一方赤ちゃんまりさは、どうして自分がここにいるのかわからないようだ。 きょろきょろ周りを見回しても、その疑問は解消されそうにない。 「まけいぬおにーさんは、さっさとのこりのまんじゅうをやいてね!!」 「そしてれいむたちにゆっくりたべさせてね!!」 「ゆっくちまんじゅう!!」「まんじゅうちょーだい!!」 勝ち誇る一家は、赤ちゃんまりさの様子に気づいていない。 そりゃそうだろうな…… その赤ちゃんまりさが、さっき箱に収めた赤ちゃんとは別物だってことにも気づかないんだから… 「そうだね、お兄さんは負けたから…残りの“4匹”は焼くことにするよ」 「さっさとやいてね!!さっさと………ゆ?」 僕は残りの4つの箱を開けて、その中身を手に取る。 箱の中から出てきたのは… 「ゆ!!ここはどこ!?」「くらくてゆっくちできなかったよ!!」 「おにーさんはまりさたちにゆっくちあやまってね!!」「あやまったらゆっきゅりさせてあげるよ!!」 なんと、4匹の赤ちゃんまりさだった。 「すごい!!さっきまでおまんじゅうだったのに!!あかちゃんにかわってるよ!!」 「ゆゆゆ!!おにーさんすごいね!!でもさっさとあかちゃんをはなしてあげてね!!」 先ほどまでは確かに4つの箱には饅頭が入っていた。しかし、今出てきたのは赤ちゃんまりさだ。 さすがの餡子脳でもこの不思議さは理解できるようだ。手品は成功である。 「さあ、美味しい焼き饅頭を作っちゃうぞ~!」 僕は“ただの饅頭”4つを、十分に加熱されたフライパンの上に放った。 「いっぎゃあかかかけrgりげ!!!」 「あづいあづいあづいいだいいぢあいいああいあいあ゛あ゛あ゛!!!!」 精一杯跳びはねて脱出しようとするが、赤ちゃんゆっくりの跳躍力で脱出できるほどこのフライパンは小さくない。 「ゆっ…ゆぎゃああぁぁぁぁぁあぁあ!!!がえじで!!まりざのあがぢゃんがえじでえぇぇぇぇえ!!!」 「れいむのあがぢゃんになんでごどずるのお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛おぉぉぉぉぉ!!!!」 何が起こっているのか即座に理解した母まりさと母れいむは、一目散にフライパンへと向かう。 だがフライパンの放つ熱気に怖気づいたのか、一定の距離をおいて立ち止まってしまった。 「おにいさん゛!!さっざとまでぃざのあがたんがえじえええぇぇえ!!!」 「え?それは無理だよ。だって、君はこいつらの入ってる箱を選ばなかったじゃないか。 それってつまり、こいつらはただの饅頭であって、君の赤ちゃんじゃないって事だろ?」 母まりさは、無駄に知能があるせいか論理的に攻められると反撃できないようだ。 すると今度は、無知で無能な母れいむの出番である。 「ゆ゛!!ぞんなごどばいいがら!!ざっざどあがぢゃんだじげでおおおおおぉぉぉ!!!!」 「でもこれはルールだから。そんなに助けたかったら、お母さんがフライパンに飛び込めばいいじゃないか。 それとも何?フライパンに飛び込まないってことは、助けたいって言うのは口だけなの?口先だけなの?え?どうなの?」 「ゆぐぐぐ…ゆ!こうなったのはまりさのせいだから、まりさがたすけにいけばいいよ!!」 「ゆぶ!?どうじで!!れいむだっでおがーざんでしょ!?れいぶもだじゅげでよ゛!!」 パートナーのご指名である。うろたえるまりさ。震えながらまりさをぐいぐいと押すれいむ。 どうやら赤ちゃんを助けたいというのは口先だけで、本当は2匹とも自分の身の安全が第一らしい。 「までぃざがあかちゃんのはこをえらばないからこうなっだんだぼ!!ゆっぐりぜぎにんどっでね゛っ!!」 「どうじでぞんなごどいうぶぎゅえっ!!?」 言いたいことを言い終える前に、まりさはれいむに弾き飛ばされてしまった。 着地点は…もちろん、フライパンのど真ん中である。 「あんぎゃあ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁあ゛ぁあ゛ぁあ゛ぁ゛あ゛!!!!!!」 「お、おがじゃん!!だじゅげでえぇええぇぇぇぇぇえぇ!!!!」 「あぢゅぐでじんじゃうよおおおおおおぉぉぉぉぉ!!!!」 ジューッといい音をたてて焼けていく母まりさと赤ちゃんまりさ4匹。 「どぼじでだずげでぐでないの゛!?」「どぼじでええぇぇぇぇ!!!」 「みでないでだじゅげでおおおおぉぉぉぉ!!!」 「あんびゃあおあろぎあじぇろgじゃえおりgjぽあえいrgぱ!!!!」 「ゆ…ゆっくりがんばってでてきてね゛!!」 子供たちの叫びに、母れいむはただ見つめているだけだ。 自ら助けに行こうとしない。それは残された子供を守るために自分がいなくなってはいけないという高尚な判断なのか… それとも、自分が母まりさや赤ちゃんまりさのようになりたくないだけなのか……たぶん後者だろうな。 「あ…ばば…だじゅ…げで……!」 「じ、じに……だぐ……だいびょ…!!」 「うーん、良い匂い♪」 そんなことをしているうちに、まりさ計5匹の底面がこんがり焼きあがった。あまりの激痛に全員気絶している。 これ以上焼くと命に関わる。今回はこの辺で勘弁してやろう。 広く知られているように、ゆっくりは底面の組織をやられると自力で跳ね回る事が出来ない。 こいつらは、後で自然に放って観察してやろう。面白いことになりそうだから。 香ばしい匂いを放つゆっくりを、僕は袋につめて適当に押入れに放り込んでおいた。 「おにーさんとはゆっくりできないよ!!れいむたちはおうちかえるね!!」 「ゆっくちかえるよ!!」「ゆっきゅりかえるにょ!!」 残っているのは、母れいむと子れいむ5匹に子まりさ1匹である。 あんなことを言っているが無視していいだろう。どうせ自力でドアを開けられないのだから。 それより…僕は、知能の低いゆっくりに対して試したい事がひとつある。今回、それを試してみようと思う。 「へぇー、家族を放っておいて帰っちゃうの?酷いねぇ…全然ゆっくり出来ない人だねぇ…」 底面が完全に焦げているまりさたちを指差して、くすくす笑いながら問いかける。 ゆっくりには“自分は一番ゆっくりしてる”というプライドがあるので、すぐに突っかかってくる。 「ゆぐぐ!!れいむはゆっくりしてるよ!!しつれいなこといわないでね!!」 「ふぅ…はいはいわかったよ。そんなにゆっくりしてるなら一人で帰れば?子供たちはお兄さんが食べちゃうから」 僕は適当に赤ちゃんれいむを掴みあげると、口の中に放り込もうとする。 本当に食べるつもりはないのだが、こうでもしないと必死になってくれないだろうから。 「れいむはたでものじゃないよぉ!!ゆっくちだべないでええぇええぇぇ!!!」 「おにーさん!!あかちゃんをはなしてね!!ゆっくりたすけてあげてね!!」 ぽよんぽよんと、体当たりしてくる母れいむ。もちろん痛くない。むしろ気持ちいい。 そんな母れいむの頭を僕はむんずと掴んで、ぐっと握り締める。 「あ?『はなしてね』?『たすけてあげてね』?…言葉遣いに気をつけろよ」 「いだだだだ!!!いだいだいだいだいだいだいだいだいだいいいいぃぃぃ!!!!」 「『放してあげてください』『助けてください』だろ?言ってごらん」 「ゆびゃああぁぁぁぁあぁ!!!たずげでぐだざいいいぃぃぃい!!!! れいぶのあがだんんん!!!!はなじであべでぐだだいいいいいぃぃぃぃ!!!!」 もう発音が滅茶苦茶で半分聞き取れないが、それらしいことは言ってるので助けてやろう。 このれいむは無知で無能だと思っていたんだが、やれば出来る子じゃないか。 「よしわかった。でもひとつだけ条件がある」 僕は手に持っていた赤ちゃんれいむを放してやる。 解放された赤ちゃんれいむは、他の赤ちゃんゆっくりたちと同じように部屋の隅に跳ねていってガクガク震え始めた。 「お前、子供を全員食べろ。そしたら子供たちは助けてあげよう」 「……ゆ?」 僕の言葉を、ゆっくりと理解していく。 部屋の隅にいる自分の子供と、僕の顔とを…何度も何度も見比べて。 「もう一度言う。子供を全員食べろ。そしたら子供たちは助けてやる」 「……ゆゆゆ?ほんとう?あかちゃんたべたらあかちゃんをたすけてくれるの!?」 「本当だ。お兄さんは嘘をつかないよ」 …母れいむの視線が一箇所に定まった。 もちろん、その視線の先にいるのは…6匹の赤ちゃんゆっくりである。 「……ゆ!!ゆっくりたべるよ!!あかちゃんたべてあかちゃんをたすけるよ!!」 その動きに迷いはなかった。そして、やはり無知で無能だった。 『赤ちゃんを助けるために、赤ちゃんを全員食べる』…なんら矛盾を感じないとは、正直言って驚きである。 「おかーしゃん!!ごわかっだぶゆぎゅうううぅぅぅ!!!だだだだべべべべべなななないいでええぇぇぇえ!!!??」 一匹目の犠牲者は赤ちゃんれいむ。 母れいむと一緒にゆっくりしようとして飛びついたところを、ガブリと噛み付かれてしまった。 「むーしゃむーしゃ…みんながまんしてね!!おかーさんがたすけてあげるからね!!」 「おがーしゃんだべないでえ゛え゛え゛ぇぇえ゛ぇぇぇえ゛!!!」 「れいむだぢはだべものじゃないよお゛お゛お゛お゛ぉぉぉぉ!!!!」 逃げ惑う子供たちと、それを追いかける母れいむ。子供たちは命が懸かっているので必死に逃げる。 しかし、どんなに必死になったところで、その体格差は覆せない。 「ゆがあああああああぁぁぁぁ!!!やべ…ぶびゅっ!!!」 「がまんしてね!!みんなをたべればみんなたすかるんだよ!!!」 「いぎゃあああぁぁあぁ!!!ゆっぐでぃでびば…ぶへっ!?!?」 「どぼぢで…どぼぢでごんにゃごどずるぶゆえ゛!!??」 母れいむの食事が終わったのは、それから5分後だった。 口の周りを餡子で汚した母れいむが、僕のもとに駆け寄ってきて宣言する。 「やくそくだよ!!こどもたちをぜんいんたべたから、こどもたちをたすけてあげてね!!」 「うん、いいよ」 ……… 数秒の静寂。僕はニコニコしながら、母れいむの顔を見つめる。 「…なにしてるの!!さっさとあかちゃんをたすけてあげてね!!やくそくしたよ!!」 「うん、だからいいよって言ってるでしょ」 晴れやかな顔になった母れいむは、僕が子供を助けるのを待っている。 しかし、動こうとしない僕を見て母れいむは顔を真っ赤にして激怒した。 「…いいかげんにしてよね!!ゆっくりあかちゃんたすけてくれないとおこるよ!!」 「うん、だからさっさと赤ちゃん連れて帰ってよ」 僕は玄関の扉を開け放って、母れいむに呼びかけた。 「ほら、助けてやるって約束だもん。どうぞ連れて帰ってくださいよ。そこにいたでしょ?君の子供」 「ゆ?なにいってるの!!あかちゃんはここにいないよ!!ゆっくりみればわかるでしょ!!」 「そうだね。じゃあ君の赤ちゃんはどこに行っちゃったの?」 これだけ言っても、まだわからないのだろうか。 僕の提示した条件、自分のしたこと、そして…その結果。僅か数分前の出来事だというのに… 「君は…さっきまで“何を”食べてたんだっけ?」 母れいむの口についた餡子を指でとって、じっくりと見せ付ける。 「君は…赤ちゃんを助けるために“何を”食べてたんだっけ?」 「ゆ…ゆゆゆ…!?」 その餡子を口の中に突っ込んで、無理やり飲み込ませる。 「君は…“何を”助けるために赤ちゃんを食べてたんだっけ?」 「ゆびあやあやあいあいあおあお゛あお゛あお゛あお゛あ゛あ゛おあおあ゛おあお゛あお゛あ゛あお゛!!!???」 全てを理解した母れいむは、狂ったように跳びはねて壁に体当たりする。 「そうそう!赤ちゃんは君のお腹の中にいるからね!ゆっくり助けてあげてね!!」 「ゆぎゃあぁあぁぁああぁぁ!!!どうじでどうぢせどうじじぇああぁぁぁああぁぁ!!!!」 「ふふふ!急いで吐き出せばまだ間に合うかもしれないね!!」 おそらく間に合わないだろう。既に母れいむの餡子と混じってしまったに違いない。 だが、そんなことも分からない母れいむは何とか子供を助け出そうと自分の身体を痛めつける。 「ゆぶ!!ゆべべべべべえええぇえっぇぇえぇ!!!」 口から吐き出すのは、餡子ばかり。赤ちゃんゆっくりは一匹も出てこない。 母れいむは餡子の山を崩して必死に子供を探すが、やはりそれらしい姿は見つからなかった。 「どうしでぇえぇぇえ!!!どうしでででごないのおおおぉぉぉぉ!!!??」 「そりゃあ、君が美味しそうに食べちまったからな。むーしゃむーしゃしあわせー♪って」 「ぐぎゃああぁぁっぁあぁ!!!あがだんででぎでええぇぇぇぇえええ!!もうだべだりじないがらああぁぁぁあ!!!」 何度も何度も、身体の皮が破れても壁への体当たりを止めない母れいむ。 無知で無能なこいつも、母性だけは一人前のようだ。 「ゆぶえ!!ゆべべべべ…!!」 体力も尽きかけていた頃、母れいむの口からあるものが出てきた。 それは…赤ちゃんれいむのリボン。そして、赤ちゃんまりさの帽子だった。 餡子化に時間のかかる髪飾りだけが、餡子にならずに体内に残っていたのだ。 「おー、飾りだけは無事だったみたいだな。どうする?これだけ持って帰る?」 くすくす笑いながら問いかける。 母れいむは、もう理解したようだった。自分の身体の中に、もう赤ちゃん達は残っていないということを。 口から出てきたこの髪飾りが、何よりの証拠である。 「ゆ゛…あがぢゃん゛…どうしで…?」 そして、母れいむは理解したようだった。 …自分が、二度とゆっくりできないということを。 「ゆっがあああぁぁぁあぁぇぇぁぁぁぁぁあゆッぐりじねえああぁあぁぁぁぁぁぁあ!!!!」 狂った母れいむは、今までにない叫びを上げながら暴れ始めた。 壁に体当たり、花瓶に体当たり、本棚に体当たり。それでも狂気は止まらない。 そして、血走った目で僕を見つけた母れいむは… 「ゆっぐでぃじねえ゛え゛え゛ぇぇぇえ゛ぇえ゛ぁああ゛あぁぁぁ゛!!!!」 ゆっくりとは思えないスピード、ゆっくりとは思えない跳躍力で僕に飛びつき…左腕に噛み付いた。 痛みはない。ゆっくりの力など、たかが知れている。 「っしねぇ!!じねええぇぇ!!!ゆっぐりじねえ゛え゛ええ゛ぇぇぇぇぇええ゛え゛ぇ!!!ぶぎゅえっ!?」 母れいむを左腕から引き剥がす。そして… 「…もう、お前はいらない」 口に腕をねじ込んで、背中の皮を掴んでぐいっと一回転。 背中の皮や餡子が口から出てきて、代わりに顔面や毛髪が口の中に吸い込まれていく。 「あびゃばyばyばあおあおあおあおえろpgかえぽrgこあけpご……!!??」 “裏返し”になった母れいむは、ぼとぼとと中身の餡子を全て床の上に撒き散らし…皮だけとなって絶命した。 その餡子の山をスプーンでかき回すと、残っていた髪飾りが出てきた。 さっきの分も合わせると、合計で6つ。食われた赤ちゃんゆっくりの数と一致する。 「あーあ…かわいそうに。お母さんがバカだったせいで…」 そんな同情の声も、赤ちゃんゆっくりにはもう届かない。 僕は餡子を一口だけ味見すると、散らかった部屋を片付け始めた。 「さて!」 餡子の山を始末し終えて、押入れを開く。 底面の焼け焦げたまりさたちが入った袋を担いで、僕はもう一仕事始めることにした。 「お前らには、お兄さんが直々に自然の厳しさを教えてやるぞ!!」 袋の中のゆっくりまりさたちの震えが、しっかりと伝わってくる。 きっとこいつらなら、もっと面白いものを見せてくれるに違いない… そう確信して、僕はゆっくりの生息地である草原へと向かった。 (終) あとがき スレに自分が書き込んだネタと、他の人が書いたネタも使わせてもらいました。 ちなみに、お兄さんの手品はタネのない手品です。 作:避妊ありすの人 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2088.html
虐待少なめ、原作キャラ有(崩壊気味)、ひらがな五十音表を用意するとわかりやすいかも 「師匠、何読んでるんですか?」 「外界の物語よ。他の星の生物と戦う話。嘘ばっかり書いてるかと思ったら割と科学的なのね、最近の御伽噺は」 「はぁ」 「異星の生物なら有機体である道理なんかないってことで、珪素基の生物が居るって考えたのね」 「なんかよくわかんないけど凄そうですねー」 「珪素生命・・・面白そうね・・・ヒャア我慢出来ねえ実験だ!」 「いきなり師匠が壊れた・・・」 ここは永琳の実験場。 「さて、ここに生物の体から炭素を排出させて珪素を吸収させる薬があるわ」 「すごい展開の速さですね。ご都合主義ですか」 「私の医学薬学は世界一ィィィできんことはないのよ。とりあえずこれをゆっくりに飲ませて珪素を摂取させ、様子を見ることにします。手順はまとめたから後はよろしく」 「人任せですか」 「私は忙しいのよ」 実験一日目 「ゆゆっ!?ここはどこ?」 とりあえずれいむ種で実験を行う。 「おなかすいたよ!ごはんどこ?」 いきなり人を馬鹿にした様な口を利く。何の変哲もないゆっくりである。 「はいこんにちは。これを飲んだらご飯あげるわよ」 「ゆ!しかたないね!のんであげるからはやくごはんちょうだい!!」 警戒心無し。 一服分の薬をれいむに飲ませる。 「ごーく、ごーく!それなりー」 不味かったら飲まないだろうからまあそれなりの味にはしてある。 「のんだよ!ゆっへん!」 何を威張ってるんだか。 「えらいねーじゃあこれがごはんだよ!!」 実験室の床に敷いてある砂を手で掬い、れいむの口に押し込んだ。 「もがが!?」 「ゆっくり味わってね!!」 れいむの口を押さえつけ、砂を飲み込ませた。 「ゆげえええ!おぐぢがじゃりじゃりずるよおおおおおお!!」 この実験室の土は特別に二酸化珪素を多く含む珪砂と入れ替えてある。 砂の中の珪素を吸収してもらうわけだ。 「ぷんぷん!!こんなひどいことするおねえさんはゆっくりでていってね!!」 「言われなくてもスタコラサッサするわ」 薬を飲ませて砂を食べさせればもう用はない。鈴仙は実験室から出ていった。 「かわいいれいむにおすなをたべさせるなんて!!もういいよ!れいむはじぶんでごはんさがすよ!!」 部屋の中を跳ね回って食料を探すれいむ。 「ゆ?ゆゆ!?」 「どうしてなんにもないのおおおおおおおおおおおおおお!?」 当然である。 実験二日目 「グッモーニンゆっくり」 「ゆゆ!おすなたべさせたおねえさん!!」 覚えてた。きっと忘れるだろうと思っていたんだが。 「昨日はごめんねーれいむがかわいいからつい虐めちゃったんだー」 どうせ相手は饅頭だし心にもないことを適当に言う。 「ゆ!あやまってゆるしてもらえたらどすまりさはいらないんだよ!!」 饅頭が一丁前に怒っている。 「お詫びに今日こそはご飯あげるわ。喉も渇いたでしょうからお水もあげるわね!」 「ゆゆ・・・!」 れいむは昨日は結局何も食べられなかったのだ。この提案は断れないだろう。 「でもまたへんなものたべさせるんでしょ!」 「そんなことしないわよ。ほら、お菓子あげるわ」 ポケットからクッキーを出し、れいむに放り投げる。 「ゆゆ!!」 れいむはクッキーに飛びつき、貪り始める。 「むーしゃ!むーしゃ!!うっめ!これめっちゃうっめ!!まじぱねえ!!」 「しあわせーー!!」 れいむは久しぶりの食事に本当に幸せそうな顔をしている。 「じゃあお水も」 皿に水筒に入れて持ってきた水を注いでやる。 「ごーく、ごーく、ごーく!ぷはっ!しあわせー!」 「おねえさん!れいむまだおなかすいてるよ!もっとちょうだい!」 「はいはい」 もう一枚クッキーを食べさせる。 「むーしゃ!むーしゃ!」 今度は余裕が生まれたからか、じっくりと味わって食べている。 「しあわもがあっ!?」 最後まで言わせず、鈴仙は開いた口に砂を突っ込んだ。 「む゙ー!!む゙ー!!」 「ご飯くれると思ったの?馬鹿なの?死ぬの?って死んじゃ駄目だけど」 「む゙ー・・・!!ごっくん!」 「どぼじでごんなごどずるのおおおおおおおおおおお!?」 「実験だからよ。これで満足かしら?」 「そうじゃないでしょおおおおおおおおおおおおおお!?」 餡子脳は謝罪と賠償を要求しているようだ。しらんがな 「じゃあね。また明日水持ってきてあげるわ」 もちろん水にも薬入りだ。 「ゆううう・・・おなかへったよ・・・おくちがいたいよおおおおおお!」 三日目 「ご機嫌いかがかしら被検体」 「ゆ・・・」 お腹が減って力が出ないようだ。クッキー二枚しか食べていないのだから当然である。 「はい水」 薬入りの水を出してやる。 「ごーく・・・ごーく・・・」 本格的に力が足りていない。 「お腹が減ってるんだったら土でも食べたら?少なくともお腹はいっぱいになるわよ」 「・・・・・・・・」 「じゃあまた」 「・・・・じゃーり、じゃーり・・・・」 仕方なくれいむは砂を飲み込み始めた。 「ぜんぜんしあわせじゃないよおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」 四日目 「ゆゆ!?」 れいむは目が覚めた時、不思議に体に力が入る事に気が付いた。 食べたものと言えば砂だけなのに。 「おはようございまーす」 「ゆっ!おすなたべたらおなかいっぱいになったよ!」 「それは良かった」 今日も鈴仙は薬入りの水を出すだけだ。 「とりあえず第一段階はクリア」 そんなことを言いながら鈴仙は出ていった。 「ゆー・・・またお腹減ってきたよ!」 「じゃーり!じゃーり! ・・・・・。」 形容する言葉が見つからないようだ。 「どうですか師匠」 「砂を栄養にできるようにはなったみたいね。見た目も心なしか普通とは違ってきているわ。このまま続けましょう。」 「了解」 ここからはれいむの主観でお送りします 五日目 きのうからせなかがかゆいよ!! ゆっくりできないからすなをたべたよ! しあわせー! 六日目 せなかがかゆくてゆっくりできないからおねえさんにいったらせなかになにかぬられたよ! おかげできょうはゆっくりねむれるよ!! 七日目 あさおきたら、せなかだけでなくあしにもへんなものができてたよ! 八日目 よる、からだじゅうが あついかゆい おなかのへんなもの かべにすりすり たら かわがくさりおちたよ! いったいれいむ どうな て 九日目 やと あついの なおた も とてもかゆいよ! きょう おなかすいたの、すな じゃーり じゃーり 十日目 かゆい かゆい へんなゆっくり― きた ゆっくりできないんで ころし しあわ せー 十一日目 ゆっ くり 「とりあえずここまで来ましたが」 「同族をいきなり殺したのは驚いたわねー」 「昨日何やら砂を大量に食べてましたがどうしたんでしょうか?」 「完全に珪素生命体になる前兆じゃないの?」 「じゃあ十二日目の実験観察始めます」 「るっすいちねきっえへ!!」 「・・・はい?」 実験室に入るといきなり意味不明な言葉が聞こえてきた。 「ウドンゲ、上よ」 「上?っうわあ!?」 天井に妙な物が張り付いていた。 「あれがあのれいむ?」 体表面は白みがかり、目玉や歯は鉱物のように輝いている。髪や飾りは鉱物繊維のようなもので出来ているようだ。 しかし、それにも増して不気味なのは、それが天井に張り付いていることと、意味不明な言葉を話す事だ。 「るる!こへけたんなにまるっすいね゙しうみの?」 「ぞまんにょくな゙き!」 「とりあえずコンタクトを試みます!ハローそしてグッドバイ!グーテンターク!ヤックデカルチャ!オッパイノペラペラソース!!いあいあはすたあ!」 「どさくさに紛れて変な物崇拝するのはやめなさい。とりあえず観察するわよ」 「こへけたんなにはひちねうほ?」 「そそまえきゆのこくにな゙ろ!るっすいね゙ね゙きっねへ!」 「ふむ・・・分かったぞウドンゲ君」 「このゆっくリアン(勝手に命名)は本来はゆっくりという誰かが冗談で作ったとしか思えない生物だ」 「加えて炭素と珪素は周期表では一段ずれた位置関係にある。」 「つまりゆっくリアンの話す言葉はひらがな五十音図表で、あ行がか行、な行がは行になって、 ら行まで行ったらまたあ行に戻るような一段ずれた文字なんだよなんだってー!!!」 「人のセリフまでそのまま喋らないでください。そもそもいくらゆっくりでもそこまでふざけてないでしょう」 「いやこうしないと話が進まないから」 「メタですねえ」 とりあえず訳 ゆっくりしていってね→るっすいちねきっえへ れいむ→えきゆ ごはんちょうだい→ぞまんにょくな゙き ゆっくりでていってね→るっすいね゙ね゙きっねへ 「天井に張り付いているのもゆっくりの常識を単純にひっくり返したからでしょうね」 「珪素生物になってもふざけてますね」 「とりあえずごはんでもあげてみましょう。ほーらごはんよー」 といってもその辺の砂を皿に盛っただけだが。 「るる!・・・・るー・・・るー・・・」 「寝ました」 「わけわかんないわね」 「とりあえず他のゆっくりを見せてみましょう」 まりさをゆっくリアンのいる実験室に入れてみた。 「ゆゆ!?なにあれえええええええええええええ!?」 「るっ!つっしいちねきっえへ!!」(ゆっ!すっきりしていってね!!) いきなりまりさにのしかかるゆっくリアン。 シリコン肌にこすられて、まりさは嫌でも発情させられる。 「いやあああああああ!!こんなへんなのにすっきりさせられるなんてやだああああああああああああ!!!」 「るっるっるっ!!!」 「ずっぎりいいいいいいいいいいいいいいい!!」 「づっしいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!」(すっきりいいいいいいいいいいいいいい!!!) 「非常識にもいきなり交尾しましたよ」 「ありすどころじゃないわね」 「ゆ゙ううううううう・・・」 まりさの頭から茎が生え、子ゆっくりが実り始めた。 「ウドンゲ、回収」 「ほいさっさあ」 「るる!こきちとくはかさにゃんな゙へ!」(ゆゆ!おいしそうなあかちゃんだね!) もしゃ 「ゆ゙ぎゃあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!?ごのべんなのがまりさのあがぢゃんだべぢゃっだあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!」 「師匠」 「回収する間もなく食べられたわね」 「食べられました」 もっしゃもっしゃ 「やいたやこきちきへ!!」(まりさもおいしいね!!) 「やべでえ゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙ばり゙ざを゙だべな゙い゙でえ゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙!!!」 「まりさも食べたわね」 「食べましたね」 その後も斜め上な行動ばかり繰り返すゆっくリアン。 「もういいわ。解剖して終わりにするわよ」 永琳も興味を失ってしまったようだ。 メスでサクッとゆっくリアンの顔面を切開する。 「づっしいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!」(すっきりいいいいいいいいいいいいいい!!!) 死の間際まで斜め上である。 「ふむ、皮はシリコンゴム、目と歯は石英で出来ているようね」 「中身は・・・」 永琳が皮を切り開くと、珪素の塊の様な物質が出てきた。 「これが餡子の代わりなんでしょうか?」 「さあ・・・でも聞いたところによると珪素は外の世界の演算機械にも使われているらしいし、脳の代わりになってもおかしくはないわね」 「この髪もすごいですよ。もう刺さりそう」 鋭く尖った鉱物質の髪を鈴仙は引き抜いてみる。 その瞬間 「あwせdrftgyhぅふhj;lkml、おk!!!!」 ゆっくリアンがいきなり飛び上がり永琳の顔に貼り付いた。 「!?」 「師匠!?師匠ーーーーーー!!!」 永琳は床に倒れ込んだが、自力でゆっくリアンを顔から引き剥がした。 「あー驚いた」 「顔の皮ごと剥がさないでくださいグロいです師匠」 「サービスシーンよ」 「誰へのだ」 その日の夕食 「うっ!?」 「師匠!?どうしたんですか!?」 「うっ!!うぐうう!!ぐぐぐ・・・・!!!」 永琳の腹が急激に膨張し始めた。 「何、にんっしんしたの?」 暢気な顔のままの輝夜。 「師匠!しっかりしてください!!」 ああ、やはりあのゆっくリアンだ。あれだけ斜め上なら卵を産み付けるぐらい予想出来そうなものだったのに! 「うあああああああああああああああああああ!!!」 「師匠!!師匠ーーーーーーーーーーーー!!!!」 永琳の腹が裂け、何か血まみれのゆっくりのようなものがどこかへ転がっていった。 「い、一刻も早くあいつを何とかしなければ!!」 その時、事態を静観していたてゐが動いた。 「ペロ・・・・これはケチャップ」 「やーいひっかかったわね」 ニヨニヨした顔をする永琳。 とりあえず師匠にはボテ腹になるまで座薬をぶち込んでおいた。 あとがきにかえて 「ところで師匠この薬は人間に使うとどうなるんですか」 「シリコンおっぱいになる」 「マジすか」 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1585.html
ミカン 「あー・・・冬はやっぱこれだな・・・」 炬燵の上には熱いお茶に煎餅、そしてミカン。冬の定番スタイルである。 半纏を羽織った男は一人茶を啜る、こんな寒い日は家でのんびり過ごすのに限る。 ドムドム・・・ 不意に戸に何か当たるような音が響く、はて?と男が戸口に向かうと 「ゆ!あいたよ!」 「ここはゆっくりできそうだね!」 「ゆっきゅり~」 「ぬくぬく~」 「「「ゆっくりしていってね!!」」」 そこにいたのはゆっくりだった。 大きいまりさとれいむが1匹ずつ、そしてそれらの赤ちゃんと思わしき小さなゆっくりが各種3匹ずつ。 どうやらこの饅頭一行は家族らしい、何のようかと男が考えていると 「ゆゆ!?なんでれいむたちのおうちににんげんがいるの!?」 「にんげんはさっさとまりさたちのおうちからでていってね!ここでゆっくりしたいならごはんをよういしてね!」 「ちょーだちょーだー!」 「まりちゃたちのためにごはんよういちてね!」 開口早々のおうち宣言、あまつさえ食べ物を要求してくるとは流石饅頭、そこにムカツク腹が立つぅ!! ここで潰してもよかったが、男もちょうど暇をしていたところなのでゆっくりたちを部屋へと上げることにした。 「ふむ、なら食べ物を用意してあげるからこっちにきなさい。ここよりも暖かいしね。」 「わかったよ!ゆっくりついていくよ!」 「おいしいごはんたくさんよういしてね!」 「れいみゅいっぱいたべりゅよ!」 「おねぇちゃんじゅりゅい!まりちゃだっていっぱいたべりゅよ!」 ワイワイガヤガヤやかましく男についていく饅頭一家。 途中、この一家に冬篭りをしないのかと尋ねたところ 「もりはたべものもないし、さむくてゆっくりできないよ!」 「これからはここでゆっくりするんだぜ!おじさんもまりさたちのけらいにしてとくべつにゆっくりさせてやってもいいんだぜ!」 俺まだ20なんだけどなぁ、男はぼんやりとそんなことを思う。 どうやらこの一家は越冬の準備をせず遊び呆けていたようだ。 そしていざ冬になり、にっちもさっちもいかず人里へと出てきたらしい、だらしねぇな。 「さて、それじゃミカンを食べさせてあげるから皆口をあけてね。」 「ゆっくりわかったよ!ゆっくりはやくおくちにいれてね!」 久々の食事にありつける、その思いにゆっくり達の目はキラキラと輝く。 そしてミカンを持った男の手が一家へと伸びた次の瞬間 「ばるす」 「「ゆぎゃあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!?」」 「「ゆゆゆゆゆ!?おとーしゃんおかーしゃんどーじだのぉぉ!?」」 男は手に持っていたミカンの皮を勢いよく絞り汁を飛ばしたのだ。 「ゆごおぉぉぉぉ!! い”だい”い”ぃ”ぃ”ぃ”ぃぃぃ!!!」 「まりさのおめめがあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 まりさは激しく首?を振るように転げまわっている。 れいむに至っては顔面を畳に激しくこすり付けている、おぉ激しぃ。 そんな両親の奇行に恐怖したのか、あるいは潰されてはたまらないと思ったのか赤ちゃん達は部屋の隅で小さく固まっている。 「おとーしゃんたちはゆっくりこっちにこないでにぇぇぇ!!」 「そっちでゆっくりしててにぇぇぇ!!」 「「どおじでぞんなごというのおぉぉ!! ゆっくりしないでだずげてよおぉぉぉぉぉ!!!」」 うわぁ、赤ちゃんドン引きしてるよ、てか泣きはいってるし・・・ そうして暫らくこの苦しみは続いた。 「ゆはぁ・・・ゆはぁ・・・」 「くぉはぁ・・・くぉはぁ・・・」 数分後、ようやく痛みも和らいだようで2匹は落ち着きを取り戻した。 「いきなりなにするのぉ!!」 「ひどいことするじじいはさっさとしねぇ!!」 「ちょーだちょーだ! ゆっくちできにゃいじじぃはまりちゃちゃちにょおうちかりゃでてっちぇにぇ!」 「ゆっくちちないでちゃっちゃっとちんでね!」 ここで先程まで両親を見捨てていたちび達も手を返したように攻勢に出始める、現金なものである。 饅頭一家がぷくっと膨らんでプンプンと言いながらぼむぼむと跳ねている様は、中々に滑稽である。 しかし、この光景に水を差すように両親達が奇妙な声を上げた。 「・・・ゆ? なんで・・・?」 「ゆ? どうちたのおかーしゃん?」 「・・・うそなんだぜ?・・・どうして?」 「ゆうぅ? おとーしゃんもどーちたの? しゃっしゃとじじぃをやっつけようよ!」 「「どうじで れいむ(まりさ)のおめめが みえないのおおおおおおおお!!!???」」 「「ゆゆゆゆゆゆゆゆううううううぅぅぅぅ!!???」」 なんとこのゆっくり達、ミカンの汁で失明してしまったらしい。 んな馬鹿な、男がれいむを手に取り強引に目蓋を持ち上げる。 「ゆぎぃ!?」 どうやら目玉の表面が溶けてしまったらしい。人間でも確かに痛い、しかしまさかこれで失明するとは・・・。 そういえばゆっくりの眼球は寒天らしい、寒天の強度ではミカンの酸に耐えられなかったのだろうか? 「ゆべぇ!?」 「れいむぅー!?」 「「おかーしゃーん!!」」 うーんと唸りながら男はれいむを床に放り投げた。 れいむは見えないこともあり上手く着地できず、二転三転してようやく止まった。 「ゆっぐぢやべでぐだざいいぃぃぃ!!」 「もうまりざだぢにひどいこどじないでぐだざいぃぃぃ!!」 とうとう両親は泣き出してしまった、さっきまであんなに強気だったのに折れるのが何とも早い。 だが、これ以上こいつらを痛ぶって餡子が飛び散って汚れるのも面倒だ。 何より目が見えないなら、しばらく放って置いた逃げられはしないだろう。 男はそう判断し、次の獲物へと向かっていった。 「ゆゆゆ!? こっちにこにゃいでえぇぇぇ!?」 「ゆっくちちゃちぇてよおぉぉぉぉ!?」 「ゆー!?あかちゃんたちにひどいことしないでね!?」 「みんなゆっくりしないではやくにげてねえぇぇぇぇぇ!!!」 赤ゆっくり達は慌てて逃げ始める。しかし部屋の中ではそれも限界があり、あっというまに追い詰められてしまった。 「おねがいじまずうぅぅぅぅぅ、れいぶはどうなっでもいいでずがらあかちゃんたちにひどいことしないでぐだざいいいいい!!」 「まりざも!まりざもどおなってもいいでずがら! おねがいじまず、おにいざんんんんん!!」 「・・・ふむ、君達のお母さん達はああ言ってるぞ。いい親を持ったね。」 「ゆぅぅぅ、おがーじゃんありがおおぉぉぉぉぉ!!」 「まりじゃだちだずがっだよぉぉぉぉぉ!!」 ゆーんゆーん 途端始まる大号泣、なんとも感動的ではないか。 「「おに”い”ざんあり”がどう”ございまずうぅぅぅぅぅ!!」」 「「あ”り”がどお”ぉぉぉぉごじゃい”まずうぅぅ!!」」 男は一息つき赤ゆっくり達へと近ずく、ちび達は助かったものだとニコニコして男を見上げている。 そして手の届くほど近づいて、男はにこりと優しく微笑みを浮かべた。 「だが断る」 ピュピュッ 「「!!??? ゆぎゃあああああああああ!!!!!」」 「いぢゃいぃぃぃぃ!!」 「あぢゅいぃぃ!? あぢゅいよおぉぉぉ!!」 「ど、どうじだのおぉぉぉぉ!?」 「おにいさん!! ゆるしてくれたんじゃなかったのおぉぉぉぉ!?」 「ん?何が?」 「なにがじゃないよ”おぉぉぉぉぉ!!」 「あかちゃんだぢはゆるじでぐれるっていっだのに”いぃぃぃぃ!!」 「いやいや、俺一言もそんなん言ってないよ?」 「ゆゆ”ぅ!?」 「俺はいい親持ったねって言っただけだし。」 「ゆ”ぎいぃぃぃ!? だまじだねぇぇぇ!!?」 「うぞづぎのじじいはいまずぐじねえぇぇぇぇぇ!!!」 両親は体をぐにゃりと潰し力を蓄えた。 そして、次の瞬間ゆっくりらしからぬすごい勢いで鬼の形相の2匹は激しく飛びついた! 炬燵に。 「「ゆべぇ!?!」」 あーあー、目が見えないそんな激しく動くから・・・うっわぁ顔へこんでるよ。あ、餡子吐いた。 「「ゆ”っぐぐぐぐ・・・よけるなひきょうものぉ!!」」 「いや、俺動いてないし。」 「「う”があ”あぁぁぁぁぁぁぁ!!」」 余程気にさわったのか顔を真っ赤にし暴れだし、ついには狂ったように炬燵の足に体当たりをしはじめた。 「おいおい、ものに八つ当たりするとか、お前ら子供かよ。」 「「うる”ざいぃぃぃ!! おま”え”はざっざどじね”え”えぇぇぇぇぇぇぇ!!」」 「ププッ 俺に当てられないからって物壊して満足ですか。 おお、無様無様(笑」 「「ぶぎい”いぃぃぃぃぃ!!!!」」 「ブギーって豚かよ(笑 いや、こんなこと言ったら豚に失礼だな、ごめんねぶ・た・さ・ん☆キラッ」 「「・・・・・!!!!!!!」」 目が見えなく耳に頼っている分、なまじ言葉に対して敏感になっているのだろう。 返す言葉もなくなったか、ついには只黙々と炬燵を攻撃するのみになってしまった。 しかしそれすら饅頭には叶わぬらしい。 ダバダバッシャァ!! 「「あ”ああああぢゅぢゅぢゅぢゅぢゅぢゅぢゅうぅぅ!!?」」 「ぶふぅっははははははははは!! おま、おまえらねーって!! 」 卓上に置いてあった急須と茶碗が見事に直撃したのだ! なんという奇跡!! 「ちょっ!ちょっとまじで勘弁してくれ!! 腹筋がつる!!」 「「わ”ら”うな”あぁぁぁぁぁぁ!!」」 ゼーハーゼーハー あーびっくりした・・・まさか饅頭ごときに殺されかけるとは・・・腹筋鍛えて置いてよかったわ・・・。 男が落ち着きを取り戻し改めて暴れ饅頭に目をやる頃には、2匹はゅーゅーと力なく呻くだけになっていた。 「よし!」 男は二度三度深呼吸をし、放置していた赤ゆっくりの元へと向かった。 「ゆげ・・・あぢゅいよおぉ・・・」 「まりじゃの・・・まりじゃのほっぺがあぁ・・・」 長いこと放って置いた為かかなりぐったりしている。 いかん、あちらに気を取られ過ぎたかと男が反省していると 「・・・ゆぎゅ!? あ”あ”あ”ああぁぁぁぁぁぁぁ!!!???」 ブピュー! 「まりじゃあああぁぁぁぁぁ!?」 「いぎなり”どおじだのおぉぉぉぉ!??」 突如一番小さな赤まりさが餡子を噴出しはじめ、ざわめき立つ赤ゆっくり。 どういうことなの・・・? 男にはわけがわからなかった。 先程男がミカン汁を赤ゆっくり達にお見舞いする際、親の時のように目だけをピンポイントで攻撃できなかった。 これは、目前で親に起こった惨劇を見た赤ゆっくり達がいくら馬鹿でも男に対し警戒をしていたからだ。 一度助かったと安堵しきったちび達を、一気に絶望に叩き落すという「持ち上げて落とす」心理効果のためには気取られてはいけない。 そこですばやく全てのゆっくりに苦しみを与えるため、狙う余裕がなかったのだ。 結果、ちび達は目はもとより体中にコレを浴びることとなった。 では何故破裂をおこしたのか? 風船にミカン汁をかけると破裂するという理科の実験をお知りだろうか、アレと同じ原理である。 特に小さいゆっくりは皮が薄くちょっとしたことで破れてしまう。 成長したゆっくりならともかく小さな個体には少量のミカン汁でも充分な脅威となるのだ。 また小さなゆっくりは中の餡子も水分が多く、ちょっとした傷でも餡子が激しく流出してしまう。 結果・・・ 「ゆゆ! れいみゅがらみょあんこでてるうぅぅ!?」 「だめえぇ!! ゆっきゅりできにゃぐにゃ”っぢゃう”ぅ!! 」 「あんこさんゆっっぎゅりどまっでぇぇぇ!! ゆっぎゅりじでっでよおおおお!!?」 次々と餡子の噴水をあげる赤ゆっくり達、まさに阿鼻叫喚である。 「おに”いじゃんみでないでだじゅげでよおぉぉぉ!!」 「おにぇがい”じまじゅうぅぅぅ!!」 「おいおい、君達ゆっくりしてないなぁ。 ゆっくりしていってね!」 「「ゆ”っぐぢできにゃ”い”いぃぃぃぃ!!」」 この時、男の言うようにゆっくりじっとしていれば餡子の流出もゆるやかになり、少しは生き長らえただろう。 だが餡子の流れ出る恐怖と焦り、そして酸が体を溶かす痛みに耐えかね赤ゆっくり達は騒ぎ続けた。 暴れて餡子が飛び出し、これにより体が心が傷ついてゆく。これに耐えかねさらに暴れて・・・。 数分後、ちび達は満足に動けなくなってしまった。 そして 「「・・・もっどゆっぎゅりじだがったぁぁぁ!!」」 最後にこう言い残し、終には二度と動くことはなくなってしまった。 「さて・・・と。」 男は赤ちゃん達だったものに一瞥くれると、親の元へと向かった。 「ごろず・・・ごろず・・・」 「じね・・・じね・・・」 「あらら、こりゃもうだめだな。」 2匹の親ゆっくりは壊れたレコーダーのように恨み言を繰り返すだけになってしまっていた。 これ以上いじっても大した反応は望めないと思った男は、叩き潰そうかと考えたが 「・・・ふむ。 あんなに笑わせてもらったし、せっかくだからもっとゆっくりさせてあげよう。」 と2匹を掴み上げ玄関へと向かっていった。 もはや2匹に抵抗する力は無く、されるがままであった。 そして外に出た男は2匹を雪の上へ、まるで割れ物でも扱うよう丁寧に置いた。 もっともこの行為は優しさからでなく、さっさと死なれても詰らないと考えたからだった。 「ここなら死ぬまでゆっくり出来るよ。 それじゃゆっくりしんでいってね!」 男はそう言い残し家へと入っていった。 後はゆっくり朽ちるのみ・・・ 男の虐待はこれで終わったかに思われた。 しかし2匹にとっての本当の虐待はここからであった。 シンシンと降り積もる粉雪、その冷たさはゆっくり達の体から容赦なく熱を奪っていく。 煮えたぎっていた餡子が冷やされていった結果、2匹はここで不幸にも正気に戻ってしまった。 その結果、この饅頭達は死ぬまでの時間を長く長く苦しんだ。 全身を襲う激痛 死にたくないという恐怖 家族を失ったことへの悲しみ 人間の家に近づいた後悔 もっとゆっくりしたかったという願望 そして冷えた餡子にも関らず、未だ心の奥底で渦巻く憤怒 これらの感情が激しく2匹の中を暴れ狂う。 もしも怒りの中で狂気に包まれ逝けたなら、こんなにも苦しまなかっただろう。 もし満足に動けたなら、暴れて気を紛らわせられただろう。 口が動けば叫び、この気持ちを訴えることが出来ただろう。 目が使えれば、思いを涙にこめて流すことが出来ただろう。 だがそれは叶わない ここには 誰もいない 何もない 音すらも ただあるのは雪 熱を奪い 全てを白へと還し 平等に死を与える ただそれだけ 静寂に包まれた死の世界で、2匹は永遠とも思える苦しみを味わった。 春 雪が溶ける頃、男が玄関先で様々な負の感情を練り固め凝縮したような何とも言えない饅頭を見つけるのはもう少し先の話である。 ちなみに 「・・・・・なに、これ?」 冷静になった男に待っていたのは、飛び散った餡子にぶちまけられたお茶。 壁や畳に留まらず、炬燵布団にまでぐっちょりと大きな染みを描きあげている。 「ゆっくりいじった結果がこれだよ!!」 終われ 他に書いたの ゆっくりディグダグ ゆっくりディグダグⅡ このSSに感想を付ける